最近気になる言葉がこれ。周囲にこの言葉をよく使う方が何人かいらっしゃる。呆然となり、思考力が働かなくなることを、日本語では「真っ白になる」と言うのだが、英語では「空っぽになる(go blank)」と表現するそうだ。
おおよそは「呆然となり、思考力が働かなくなること」を指すのだろうが、中には『一度頭の中を真っ白にして』(つまり『まっさら』)という使い方をしている方もいた。これリセットして落ち着けということだろう。
今回何故この言葉が気になったのかというと、この言葉を口ぐせにしている方々にはある共通点があるように思ったのである。
橋本敬三先生は『言葉の運命のハンドルである』と言われた。それは『息・食・動・想』の『想(精神活動)』にも繋がっている。言葉はコトダマとも言い、昔の人は言葉には魂がこもっていると考えていた。実際魂がこもっているのだと思う。自分が口に出した言葉は具現化するのだ。それを『呪』(しゅ)と言う。私も言葉が持つそのパワーにはいつも驚くが、本当に『運命のハンドル』なのだ。
これは間違いない。
先に出てきた方々の共通点を考えてみると(冷静に客観的に)、まず、
・気があがっている
・言葉の統制が得意ではない
・なので、誤解されやすい
・落ち込みが激しい
・体調に波がある
・メンタル的に不安定である
・パニックを起こす
などだろうか。特に『気が上がっている』のは目立つ特徴かもしれない。
★クライアントに相対する場合、相手の気があがっていると、まず相手の気を下げるという下地を構築することにしている。駆け出しの頃は、相手の気が上がっているのはよく分かるのだが、上がっている相手に対してどうしたらいいのかなかなか分からなかった(遠い目)。しかし、さすがに最近はしっかり?修業を積んだので「どうすればいいか」というのがわかるようになった。それも手技療法家の技能の一つではないかと思う。
★また、操者の『気があがっている』のは良くないのは当然だ。
■「ハッピー体質をつくる 3分間瞑想」内藤景代著 実業之日本社 22ページより引用
ある生徒さんの口ぐせは、何かあると「あたまが真っ白!」でした。それで、自分で「あたまが真っ白!」と「自己暗示をかけるのはやめて、そうと感じたら、その状態をまず認め、だとしたら、「今、何をすればいいのか、その場で段取りをイメージしてから行動するように」と、アドバイスしました。すると、「自分がマイナスの暗示をかけている」といわれたことはショックだったようですが、それを認めると「あたまが真っ白!」の状態からの脱出がうまくなり、ものごとがうまくいくようになったそうです。
「頭が真っ白!」という自己暗示をかけているから気が上がるのか、気が上がっているから頭が真っ白になるのかと考えると、口癖にしている場合は前者なのかなとも思う。
いずれにせよ、マイナスの自己暗示を自分に「呪(しゅ)」のようにかけないこと。これも「精神活動」(想)を統制する、一つのコツなのだろう。
また、考えてもみてほしい。世の中の会社が「頭が真っ白!」になるような人を雇いたがるだろうか?そして、「頭が真っ白!」というのが口ぐせのドクターに診てもらいたいだろうか?
「頭が真っ白!」というのが口ぐせの、操体指導者なんて想像できる?
やはりマイナスの自己暗示はかけないほうがいいに違いない。
畠山裕美
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