ついさっき実際に起こったお話です。
この日のお昼休みあきほくんは腰痛で院に来る事が出来ないおじいさんの
お家に往診に行く予定が入っておりました。
このおじいさんは1年程前夜中にトイレで倒れてしまいました。
それからは腰が痛くて上手に立ち上がる事が出来なくなってしまっていたのです。
それからというものあきほくんはたまにおじいさんのうちへ行っては
お話し相手をしながら、足を揉んであげたり、腰をさすってあげたりしていました。
ところが先週末位から急にお話をすることも困難になってしまいました。
おじいさんの補聴器が故障してしまい声がほとんど聞こえなくなってしまったのです。
あきほくんはこの前の火曜日におじいさんのうちに往診にいって
本当に元気をなくしてしまい口もきいてくれなくなったおじいさんの治療をしてきました。
その時におばあさんから聞いた話によるとおじいさんは
日中は腰が痛いと言ってはベットにうずくまって過ごしたかと思えば
突然夜中に起きだしたかと思うと「早く逃げんといかん!」
と言っては家中を逃げ惑ったりと痴呆の症状がかなり進んでしまっているということでした。
金曜日のお昼、あきほくんはとても気分が落ち込んでいました。
このおじいさんの弱ってしまった姿を見なければならない。
元気だった頃のおじいさんの様子を知っているだけに
弱っていくおじいさんになんのお手伝いも出来ないのではないか
と自分自身の無力さに本当にあきれかえっていました。
その日は打ち合わせのために三浦理事長のところへ電話をかける用事がありました。
トゥルルルル、トゥルルル ガチャン
「あっ、もしもし三浦ですが・・・お〜秋穂か〜どうした。」
あきほくんはおじいさんのことは何もふれずに用件を告げて
理事長のお話をあれこれと聞かせていただいていました。
そのお話は勿論操体についてフォーラムで見せてくれる
あのエネルギーそのままに、電話越しに熱い講義を聞かせていただきました。
その中であきほくんはとても気になる言葉を見つける事ができました。
「人間は自分がやったことは必ず自分に帰ってくるんだ。
良い行いをすれば良い事としてかえってくるし
間違った行いをすれば、いつかどこかで罰が当たってしまうんだ。
それはしょうがないんじゃナイ?自然法則に反してるんだからね。
どうせやるなら自然法則に則ってやるべきだと思うけどな〜。」
これがおじいさんの話と何が関係あるのかはよくわからなかったのですが
あきほくんは何故か「カッキーン!」と操体スイッチがオンになりました。
「おじいさんのからだのために僕が出来る事だけでもやらせてもらおう!」
お礼もそこそこにあきほくんはおじいさんのうちへ向かいました。
チャイムを鳴らして、うちに入るやいなやおばあさんが話しかけてきました。
「先生ありがとうございます。この前、先生にやってもらった後から
急に元気になっちゃって、自分でベットの上で運動してみたり、
トイレや食事も自分で起き上がってするようになったんですよ。」
世の中出来すぎた話というのもたまにはあるようです。
補聴器は未だ壊れたままで本来ほとんど聞こえないはずの耳も
良〜く注意して話しかけると聞き取ってくれている様子です。
何よりもとてもよく話してくれています。
自分が中国に戦争に行っていた時の話や、最近見た夢の話。
何十回と聞かせられて耳にタコが出来ている話ばかりではありあすが、
元気な声で話をしてくれる事が本当に何より嬉しくてたまりませんでした。
この日もやっぱり何も特別な事せず(というか出来ませんので)話を聞きながら
足を揉んだり、背中をさすったりしていました。
本当に自分がやろうと思った行動が、おじいさんのからの変化を介して
あきほくんの元に素晴らしい結果として帰って来てくれたのです。
本当に偶然としか言いようが無いのだけれど本当に行動が結果を変える。
自分の行動は回り回って自分に帰ってくるんだと、
今日は本当に素晴らしい勉強をさせていただきました。
あんまりびっくりしすぎてひいていた風邪もすっかり吹き飛んでしまったようです。
あっ!しまった「1週間で理解る!秋季東京操体フォーラム」のこと
すっかり忘れてしまっていた・・・次回につづく
秋穂一雄
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