東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

2つの額縁 〜パート1〜

僕の整骨院には2つの額縁が飾ってある。


1つ目は開業する時に伯父さんから頂いた額縁でこれはうちの爺ちゃんの書いた書が飾ってあるものだ。

身内の贔屓目で見てもお世辞にもきれいな字とは言えないがこれは遺伝子レベルで僕にも確実に受け継がれている。
うちの爺ちゃんは農家の長男坊として生まれながら学生の頃から柔道の道に傾倒し、戦前に京都あった武道の専門学校で柔道を学んだ後、志願兵として満州国へ出征、戦後は故郷の福岡県に戻り柔道の師範や高等学校の保健体育の教師をしながら柔道整復師としてほねつぎを開業していた。

残念ながら僕は爺ちゃんが仕事をしている姿の記憶は無くその臨床風景は家族の思い出話からその様子を伺い知るしか無いのだが、どうやら患者さんが暴れ回るくらいの強刺激の手技を行っていたらしい。うちの父親曰く「あんな手技をやってたらからだが持たない。」そうだから余程強烈だったのであろう。

爺ちゃんは武道家だから

日本伝統の武道によって 体力、気力(心)を増進し世の進運に寄与しよう

と書かれているが、僕は武道家としてはへっぽこなので橋本先生の操体によって体力、気力(心)を増進し世の進運に寄与したいと思っている。

そういえば橋本先生も戦中は満州に出征されていたのだから同時期に爺ちゃんも満州にいたんだな〜と思うと大層感慨深い。

秋穂一雄