東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

植物の波動(続々)

植物の話にもう少しお付き合いください。


宮崎県のほぼ中央に綾の森という照葉樹林の原生林があり、そこでのお話です。(照葉樹とは、広葉樹の中の常緑樹の仲間で暖かい気候を好み沖縄や九州西日本にかけ分布している)


「成熟した原生林では、木々のあいだで太陽の光を奪い合わない、棲み分け、ができていて、平和共存の社会が成立しているのです。成熟した森の林床には低木が木漏れ日を浴び、歩きやすく、見通しのよい空間が広がっているのです」


「大木の枝葉の下の空間は、ランやシダ植物にとって最高の生育場所となる。高木の枝葉が森の屋根となって、林床から立ち上る水蒸気を貯め、空間の湿度を一定に保ち、強風を防ぎ、太陽の光の当たり具合を最適な状態にしてくれるからだ」
「ラン科植物は、地球上に最も遅く出てきた植物のひとつ。地上ではすでに多くの植物が生活空間を占拠していたから、居場所のないランは、他の植物が生育できないような樹上などで生きる戦略をとる。発芽したら、根っこに共生菌をよびこみ育ててもらう」

強風から身を守るため木々は寄り添うように立っているという。


動物のように移動せず、賢く、静かなる汗を流しているのでしょうか!植物の波動をじっくり味わいたいと思います。



『雑誌ソトコト』9月号より、植物生態学研究家・河野耕三さんと植物学者の多田多恵子さんのお話から引用させていただきました。