東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

僕の臨床(その壱)

 五日目です。今日もお付き合いよろしくお願いします。
 この数日脳についてばかりにふれた内容でしたので、本日は僕の臨床を簡単に紹介してみたいと思います。僕は一日に多くの患者さんを診させていただくことが多く、本来ならばゆっくり患者さんのからだと向き合いたいところですが、治療時間やいろいろの縛りがあるために、ゆっくり時間をかけてというわけにはなかなかいかないのが現状です。
 短い治療時間では操体での学びを利用することはできないのでしょうか?
 答えはNOです。操体は治療技術だけを学んでいるわけではなく、操体の哲学を含め操体と真剣に学び・向き合っていると、操体にはからだの治療を含め、からだの使い方・動かし方、生き方、からだのすべてを学ぶことになります。操体は生きる法則ともいえる「息食動想+環境」が説かれているからです。
 実際の患者さんのからだについて簡単に紹介してみたいと思います。
 痛みを抱えている患者さんの多くは、からだの使い方・動かし方が不自然な場合が多く、不自然な使い方・動かし方(自分の動き)を続けていくことで、変形という形でさらに不自然な状態になっていく悪循環に陥ってしますように感じます。本来のからだの動きを取り戻すには、身体運動の法則をからだの動きとしてからだが覚えていくことが必要ではないかと思います。
 実際に立位にて患者さんの重心をみてみますと、痛みを主訴とする方のほとんどが小趾側に重心がかかっている場合が多いことがわかると思います。本来からだの重心位置は身体運動の法則の重心安定の法則で説いているように、足の重心は拇趾球の辺り(第一趾・第二趾の間の中足指節関節:MP関節)となります。
 からだの構造から考えてみても、重心安定の法則は非常に利に適っていると言えると思います。
 明日は、からだの構造と重心安定の法則の密接な関係にふれてみたいと思います。
 ありがとうございました。