東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

僕の臨床(その弐)

 六日目です。今日は、からだの構造と重心安定の法則の密接な関係についてふれてみたいと思います。よろしくお願いします。
 重心位置は身体運動の法則の重心安定の法則で説いているように、足の重心は拇趾球の辺り(第一趾・第二趾の間の中足指節関節:MP関節)となり、重心はからだの内側にあるといえます。重心とからだのつくりを照らし合わせると、足のクッションとなる土ふまず(縦アーチ)は内側にあります。下腿には頸骨と腓骨がありますが、内側の頸骨のほうが太くて強いことがわかります。膝の半月板においても、外側に比べ内側の半月板のほうが大きく厚くなっています。これらをみても、からだのつくりは内側に重心がかかるようできているといえるのではないでしょうか。
 からだの形は連動とも深く関係があるといえます。
 足の拇趾球を踏み込むと、からだの連動は膝が内側に向かいます。

 本来自然のからだは、足の拇趾球で踏み込みやすいようにからだのつくりができています。膝の大腿頸骨角(FTA)は平均174度と膝は軽度内側方向に位置(ややX脚ぎみ)しているため、足の拇趾球で踏み込むことでからだが上記のように連動しやすいようにできていると思われます。

 それがいつしか不自然な自分の動きとなり、小指側の外側で重心をうけるようになると、踵が内反し膝が外側を向く連動となり、膝のO脚の変形へと進んでいくことが示唆されます。

 身体運動の法則は、からだの構造からみても利に適ったからだの使い方・動かし方を説いているといえます。
 僕は臨床の際には、いかに日常の動きを身体運動の法則の準じたからだの使い方・動かし方が自然にできるようにするための、きっかけを作るお手伝いをさせていただいているといってもよいかもしれません。
からだの構造と重心安定の法則は密接な関係で結ばれているのですから!
 ありがとうございました。