東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

何となく出てきた言葉。

世の中は反発する2つの存在で成り立っている。
その2つは反発しながら、同時に引き付けあってもいる。
たった一つの事柄で、存在出来るものは無い。
たった一つと決め付けることは、学びの邪魔にしかならない。
上下と左右という空間。
その空間は無数に複雑に絡み合い、大きな無限の空間を成している。
その空間はお互いに反発し合い、同時に引き付け合ってもいる。
反発する事で、空間は無限の広がりを成す。
そして引き付けあう事で、空間は崩壊せずに維持されている。
2つの力の存在で、空間は存在し、その狭間で、全ては行なわれる。
男と女、生と死、喜びと悲しみ
全ては単独では成り立たない。
お互いが反発し引き付けあいながら、その狭間で物事は全て行なわれる。
男と女の中で生命が誕生し、生と死の中に人生がある。
喜びと悲しみの中に生きる心がある。
世の中には目に見える存在と、目には見えない存在の2つが在る。
その狭間でもあらゆる事が行なわれている。
温度とは目には見えない、目には見えないが確実に存在している。
目に見える存在である水は、目には見えない温度との関係で変化する。
温度が上がれば反発するかのように、水蒸気となって消えてゆく。
温度が下がれば、引き付けあうかのように、集まる。
見えない力、温度で水は、一度消え、上空で雲となり
やがて、地上に雨となって降り注ぐ。
その事で、地球の命が循環する。
山の頂きに降り注いだ雨は、川となり、海に降り注ぐ。
飲めない海水は、雨となって、地上に降り注ぎ
全ての生命を育み維持する。
海に辿り着くまでに、地上の養分を吸いながら川は流れる。
その栄養が、プランクトンを育む。
そこから海の生命が、大いなる連鎖で産まれる。
大いなる不思議な力で、地上の全ては生かされているのかもしれない。
海の水が地上に降り注げば、地上は死滅してしまう。
不思議な見えない力で、地上の生命は存在している。
たった一つの決め付けたような物事は、本当は存在しない。
お互いに反発し、同時に引き付けあう大いなる力。
その力が複雑に絡み合い、お互いを活かし合っている。
その力は目に見える2つの、お互いの存在が在り。
その狭間で、産まれる物も在る。
目に見える集まりに対しての、目には見えない物との関係も存在している。
揺れ動き、反発し同時に引き付けあう関係。
その不安定にこそ、究極の安定が存在する。
その事に古代の人々は気が付いていたのかもしれない。
古代に産まれ育まれてきた、全ての術。
武術、医術、軍術、全ての事柄には2つの要素が複雑に絡み合っている。
それを感じると、そこに命が吹き込まれる。


平直行


8月28、29日は大徳寺玉林院にて「東京操体フォーラム in 京都」開催
9月18、19日スペイン、マドリードにて「操体フォーラム in マドリード」開催