東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

斎藤の肩

そういえば橋本先生の本の中に『中西の手首』という昭和の名バッター中西太選手の手首の腱鞘炎について書いた文章があります。西洋医学のお医者さんがさじを投げた中西選手の痛めた手首を市井の接骨医が脱臼だとして整復して治してしまったというエピソードに関連して、現代医学の盲点である感覚異常や機能異常を引き起こす運動系の歪みへの理解の重要性について書かれているものです。この中西選手は手首の痛みが原因で2シーズンにもわたって成績が芳しくないと書かれているのですが、現代の日本プロ野球界でも同じような問題で悩んでいる選手がいます。福岡ソフトバンクホークスの斎藤和己投手もそのひとりです。2008年に肩関節不安定症に伴う回旋腱板の手術を行って以来3シーズン公式戦のマウンドに上がっていません。「球界最高の投手」と称された球界のエースがボールを投げることすらままならなくなっているなんて、本人の気持ちを考えるとたいそう刹那くおもいます。しかしやはりこれも中西の手首と同じように現代医学の落とし穴に落ちてしまっているではないか。もっと大切なことを見落としているのではないか。もちろんあれだけのピッチャーであれば超一流のトレーナーがついてリハビリやトレーニングもしているだろうし、鍼灸の治療も受けているらしい。「さて次は斎藤君操体法で快適感覚を味わってはみないかね・・・」冗談はさておき斎藤投手も先日からキャッチボール程度の投球練習を始めていると西日本スポーツの紙面で読んだ。自分のやりたいことをやれない、大好きなことを抑制される辛さは何となく共感することが出来る。全盛期のピッチングまで戻ってくれとは言わないが、yahoo!ドームのマウンドで登板する日が来るのを楽しみにして一日も早い復活を願っている。ちなみに我らが福岡ソフトバンクホークスは本日18時より千葉ロッテ日本シリーズへの出場権をかけてクライマックスシリーズ、ファイナルステージを戦う。対西武戦で勢いに乗るロッテ打線をホークスのエース杉内がみごと抑え込むことが出来るのかに注目は集ままるであろう。後半は全く操体に関係なくなって申し訳ありませんが、あまりこってりしたものが続いてもお腹を壊すといけないので、今回はあっさりとした内容でご容赦ください。ほな、また!


秋穂一雄


新刊情報:皮膚からのメッセージ 操体臨床の要妙Part Ⅱ(三浦寛著)、たにぐち書店より発売。 
11月20、21日千駄ヶ谷津田ホールにて2010年秋季東京操体フォーラムが開催されます。
2010年8月、社団法人日本操体指導者協会を設立しました。