東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

お猫様と過ごすとういうことは、原始感覚を磨くことだ

お猫様は正真正銘の操体のお師匠である。
あのしなやかな動き、身のこなしは遊んでいても見ていても本当に勉強になる。
その昔、ある操体の先生が「猫のように、身体をふわ〜っと動かすんです」という話をされたので、猫好きの私は「猫、お好きなんですか?」と聞いたところ、
「いや、私は猫が嫌いなんです」とお答えになった。
何でも裏庭で鳥を飼っていて、野良猫に襲撃されるのだそうだ。「猫嫌いなのに『猫のようにからだをふわ〜っと動かす』って言うんだ」とヘンな感心をした覚えがある。正直言えば「お猫様嫌いだったら、トリで操体を説明すりゃいいのに」と思ったりして。

お猫様は人が集まっていると一緒に仲間に入りたくなるらしい。去年の4月、カメラマンの白井智氏に写真を撮って頂いた時、私は「猫と一緒のところをプロのカメラマンに撮ってもらう」という長年の夢を叶えることができた。夢はありありと描くものである(笑)。その時一緒に何人かの仲間がいたのだが、気がつくとお猫様はみんなの輪の中に入って一緒に座っていた。それも不自然ではなく、自然に輪に入っているのである。気がついたら「あれ?いたの?」という感じなのである。
出来上がった写真を見ると、私と写っている写真では何だか逃げ出しそうな格好をしているが、師匠が抱っこしている写真では、何だか自然体で写っているのが不思議だ


猫ちぐら」(新潟地方の民芸品で、かまくら状になっている。夏は涼しく冬暖かい)。

その昔、ベッドの横などで何か物を拾おうとして身をかがめたりすると、ベッドの上に乗った大猫君が前足で私の頭に猫ぱんちをいれたり、後ろ足で頭を蹴ったりした。大猫の上にパワーがあるので、なかなかインパクト大であった。私は何故アタマを蹴られるのか最初は分からなかったが、多分「下の者」、として見られているのだろうと推測した。
最近は猫ぱんちや蹴りはやられなくなったが、甘噛みと体当たりをよくされる。多分「下の者だけど、たまにごはんくれるヤツ」に昇格したのかもしれない。師匠の治療所はマンションの一階の一番奥にある。入りから廊下に入ると、外に出ていた大猫君が私を見つけて突進してきて、ぶつかってくるのである。可愛いのだが、10キロ近い巨体で足下に体当たりされるのはなかなか強烈だ。本当に「ぼよよよ〜ん」という感じなのである。

大猫君のごはんのセレクトは私がしている。一昨年辺り、師匠がダイエットをさせたので、大分スリムになったのだが、去年また大きくなり出した。どうやら、外出している間に、どこかの家でごはんをもらっているらしい。大猫君はよく自転車置き場の屋根の上で遊んでいるのだが、そこでカリカリ(ドライフード)が入ったお皿を見かけたことがある。
野良ちゃんにごはんをあげている人もいるので、野良ちゃん用のごはんを頂戴しているのかもしれない。
大猫君の食べているカリカリは「アンシャンテ」という。これだと吐かないし、小袋に入っているので重宝していた。ところが、「アンシャンテ」が突然廃番になってしまったのである。仕方がないので同じメーカーの「恋ごころ」というのを買ってみたが、何だかあまり好きではないらしい。

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お猫様のごはん選びはなかなか大変なのである。昨日まで食べていたのに、今日は突然食べない、ということがよくある。2,3日するとまた食べることもある。気にくわないと意地でも食べないとか、お皿をひっくり返したりもする(汗)。
これはお猫様がワガママというよりは、からだにききわけているのだと思う。原始感覚でごはんを食べているのだ(ということにしておこう)。

うちのお猫様は、去年の春初めて病院に連れて行って毎日点滴という目にあった。
「おさかな」という単語を覚えていて、私が「おさかな」と言うと、目がキラリと光る位のおさかな好きで、なまり節が大好きである(大猫君は余り好きではないらしい)。ところが、ある日おやつになまり節をあげても食べないのである。これはおかしい。様子を見ていると、やはりごはんを食べない。お猫様がごはんを食べないというのは一大事の上、何だか黄色い液体を吐いている。そこですぐにタクシーに乗せて動物病院に直行した。
先生がお猫様を抱き上げて、「脱水起こしてますね」と言った。薬は必要ないので、点滴しましょう、ということになった。私はお猫様の点滴を初めて見た。
人間のように2時間位横になって点滴が終わるのを待つわけではないのだ(お猫様は2時間も大人しくしていない)。つまり、皮の間に輸液が入るので、らくだのこぶみたいになる。そして、輸液が自然吸収されるのを待つのである。
「3、4日、毎日点滴につれてきてもらってもいいですか」「ハイ」

病院から帰ってきて、師匠に鍼を打っていただいた。鍼と点滴が効いたのだろう、次の日から段々と元気を取り戻した。二日目に点滴に連れて行ったところ、獣医の先生は「昨日の点滴が劇的に効いたんですね」とびっくりしていたが、私は多分鍼も劇的に効いたのではないかと思っている。

その後、お猫様を定期的に検査に連れて行っているうちに、腎臓機能の低下が発見された。16歳なので人間で言えば80歳である。どこか故障が出てもおかしくない。この日からお猫様は腎臓の処方食を食べる事になった。最初に買った処方食はなかなか食べてもらえなかった。缶詰も用意したが、魚好きにとっては、お肉メインのはどうも気にくわないらしい。何回か種類を変えて試すうちに、やっと食べてくれるカリカリを見つけることができた。
その後、マドリッドに行っている間、病院に預けていた際に、ホルモン検査をしたところ、甲状腺機能亢進が見つかった。甲状腺機能亢進になると、食べても太らない、毛のツヤが悪くなる、などの症状が起こる。確かにちょっと自慢の毛づやが悪くなっていたような気もした。これは服薬させなければならない。最初、錠剤を半分に割ったものをもらってきたが、無理に口に薬を入れるといやがって暴れる。お猫様への投薬は本当に大変だ。Youtubeにも「猫に薬を飲ませる方法」の動画がアップされていたが、役に立たなかった。飲んだ!と思った3秒後に「げろっ」と出すのである(汗)。

仕方ないので、粉薬にしてもらうことにした。粉薬を飲ませるには、「猫用スープ」(汁がたくさん入っている。贅沢なので、お魚は食べずにスープだけ飲む)に粉薬をふりかけて飲ませるのである。または魚粉に混ぜて舐めさせる。

お猫様と過ごすということは、原始感覚を磨く、ということでもあると思う。

畠山裕美

2011年東京操体フォーラム分科会は4月29日に千駄ヶ谷津田ホールにて行います。http://www.tokyo-sotai.com/

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