東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

天才その2

五日目です。昨日に引き続き天才についてですが、今日もよろしくお願いします。
偉人の天才達はとてもよく似た共通点があるそうです。それは精神的な問題を抱えていた方が多いという特徴があるそうです。
天才の多くは生まれながら何かしらの障害を持っていることが多く、外界からの上方に反応して脳が変化していく「脳の可塑性」により、ある部分が集中的に発達した状態とも言われています。バリー・レビンソン監督の映画「レインマン」では、ダスティ・ホフマン演じる自閉症患者が、床にばらまかれた楊枝の数を一瞬のうちに246本と数えてみせました。アンバランスですが、並外れた記憶力を持つ天才です。アインシュタインゲーテもダビンチもエジソンも、うつ病も含めれば、ニュートンチャーチルユングも、そうしたアンバランスな面を抱えていたとのことです。
確かに視覚に障害をもっている方は、聴覚や指先の感覚などから情報を得るための感覚が、障害を持たないからより発達しているとも聞きます。
天才といわれる方がなぜ精神的な問題を抱えているかたが多いのかを自分なりに考えてみると、やはり天才とはからだのある感覚が発達し、私達の想像以上に感覚が鋭い状態にあり脳が発達した状態にあるのではないかと思います。脳が活動するためには、化学物質が神経から神経へ流れて情報を伝えてゆく必要があります。この化学物質(神経伝達物質といいます)のうちドーパミンという物質が過剰に放出されると「過覚醒」の状態になり、統合失調症の幻覚や興奮などの症状が起きるという説があります。
普通の状態では、たとえばにぎやかなところで話をしていても、相手の言っていることがきちんと聞こえます。これは神経のネットワークによって作られた「フィルター」によって、必要な情報を取り入れ、不必要な情報をカットしているためです。しかし統合失調症の急性期では、フィルターの役割が低下して無関係な情報が入り込んできます。そのために、気にとめないですむ音に敏感になり、まわりの人のしぐさや表情なども気になります。「笑っているのは何か特別な意味があるのではないか」と疑い深くなったりもします。これはフィルター能力の低下から不必要な情報が流れ込んで、神経の働きが混乱してしまうようです。
そうなると天才とされる偉人達が、感覚が想像以上に発達していたとするならば、通常は使わない今の状況に必要ない情報まで含めた感覚が情報として常に脳に上がっている状態であれば、偉人の天才達にとって精神的な問題を抱えていたという共通点もうなずけるのではないでしょか。
天(神様)からいただいたからだの感覚をどのように使わせていただくかということになり、すべての感覚を快適感覚がバランスをとっているような気がします。ありがとうございました。