東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

モノ申ス Part1

時間・空間についてなど考えることもなく人生を過ごして来た私にとって、今回の岡村実行委員長からのテーマは勉強と言えば勉強・・書きにくいと言えば書きにくい・・などとボヤキつつ、今週一週間勤めたいと思います。
まぁ、来週の日曜日は第二回になる東京操体フォーラムIn 京都であり、毎度の事ながらイベント近くにブログの順番が回ってくる己の所業に反省しつつ、テーマを突いて行きたいと思います。
まぁ私のブログの順番時は箸休めだと思って戴ければ幸いです・・・
初回のテーマが『モノ申ス』となっておりますが、今日と明日の二日間を使ってここ最近、私の中での突っ込みたいところ、もの申したいことを書いてみたいと思います。
え?テーマと違う?いえいえ、強引に結びつけますのでご心配なく・・・

早速ですが、私にとって毎年恒例の夏の高校野球が昨日、終了致しました。今回は圧倒的打撃力を誇る西東京代表、日大三校の優勝で幕を閉じました。
毎年、この時期になると島根県予選観戦から始まり、甲子園の本戦終了まで野球漬けの一ヶ月となります。これは自分の仕事上、弊院で診ている生徒が試合に出ているという理由と、後は時間を飛び越えて過去に遡ること28年前、自身も高校球児だったという過去もあり、この時期は丹田の辺りがムズムズしてショーがないのです。

で、今回のタイトルにもなっている“モノ申したい”案件は以前のブログにも書いたのですが、地区大会も含め、特に今回は甲子園の大会で多く見られた、球児達の精神面の弱さです。これに関しては年々酷くなっている様な気がするのは私だけでしょうか?
特にテクニカルな面に関しては、左右に打ち分ける高い打撃技術や、多種多様な変化球を投げ分けるプロ顔負けの投手など、個々の技術面だけを見れば、年々レベルアップしています。
その反面、今回の大会は精神的に脆い選手が多く見受けられました。
その典型的な例として、今回の甲子園での試合は9回からの逆転試合が多いこと多いこと。甲子園の様々な修羅場をくぐり抜けてきたはずの名将ですら、予測出来ない展開が多く見られました。9回2アウト3点差という状況から、8点とられて負けるなどという展開は本来、そうある試合ではないですが、それに近い試合が今大会は幾つも見られました。
多分、この様な状況は今後も続く様な気がします。

私は単に精神論だけで、涙を流すのが駄目だと言っている訳ではありません。
体育会系としては、試合が終わってもいないのに泣くなんて!アホか!と一喝したいところですが、最近の草食系男子にそんなことを言うと更に泣かれそうなので、言いませんが・・・

そもそも涙を流すという行為が身体に及ぼす影響がどうなのかを、体育会系発想で考えるのではなく、もう少し科学的に考えてみたいと思います。
先ず、選手達の精神状態を考えてみれば分かりやすいのですが、9回表という状況は野球をやったことがある方なら分かると思うのですが、後アウト3つで試合が終わってしまうという、非常に追い込まれたストレスフルな状況です。
交感神経は限界ギリギリのテンパった状態で血流量は増加、心臓もバクバク、興奮状態の極みと言えます。一見すると身体的には非常に危険な状態に見えますが、こと競技スポーツに関して言えば、気力、集中力共に高まり、火事場の馬鹿力的要素も含んだ最高のパフォーマンスが表現出来る、ベストな状態と言えます。
その最高状態の対極にあるのが、『泣く』という行為です。この『泣く』と言う行為から生まれるモノは『ストレスからの解放』いわゆる『癒やし効果』です。
アドレナリン全快で行かなきゃいけない場面で、エンドルフィンを放出し、緊張からの解放をしてしまうのです。
これこそが目の前にある辛いモノから目を背けたい、勝負に負けるという現実から目を背けたい、ストレスから解放されたいと言った、逃げの姿勢、勝負の放棄に他ならないのです。
ある意味スポーツとは究極の我慢比べであり、我慢出来なくなり集中力が切れた個人やチームが負けるのがスポーツなのです。名将・智将と言われる監督は相手チームを精神的に動揺・崩壊させる、そのノウハウを数多く持っているのです。しかし、今回の大会はそんな名将もビックリの自チームからその様な選手が出てしまうとは予想も出来なかったと思います・・・

操体に言えば『放出』は最高の『快』なので、勧めたいところですが・・
人間って身体から何かを放出する瞬間って本当に気持ちいいんですよねぇ♪
『汗・涙・涎・尿・便』などなど。。これ、前回のテーマだと迷わず“射精”と書いたのですが、今回はテーマ違うので・・
とにもかくにも、究極の我慢比べことスポーツは技術も大切ですが、もっと上のステージや世界で戦うためには、技術を支えるタフなメンタル強化も大きなテーマとして肝に銘じたいものです。

東京操体フォーラムin 京都2011は8月28日(日)に開催されます。北村翰男(奈良漢方治療研究所、奈良操体の会)、三浦寛

Sotai Forum inMadridは、9月24日、25日の二日間、マドリードにて開催致します。三浦寛

2011年秋季東京操体フォーラムは11月6日(日)、東京千駄ヶ谷津田ホールにて開催予定です。