東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

私にとって操体とは「生体実験その1食」

「息食動想」は個々の実行委員にとっては壮大な研究対象なのですが、各実行委員にも芸風があって、「息」なら日下実行委員、脳神経系及び解析・分析は佐助実行委員、「動」はメンバーの殆どがマニアですし、そう考えると実行委員はマニアの集団ということになります…
そこで、今回は私がこだわって止まない「食」に関して検証してみたいと思います。
以前よりフォーラムですとか、ブログにおいて持論を展開しておりますので、今更感もありますが、お付き合い戴ければ幸いです。

私は生体実験と称して、自分の身体に合った食は何だろう?というのを常に検証する様にしております。
出来うる限りブームなどに流されずに、感覚的にやってみよう!と思えるモノを先ずは自らの身体を通して行ってみて、確信が持てれば人にも勧めるというスタンスをとっております。私の第一期食変化は20代前半の頃、サプリメントマニアみたいな時期がありました。プロティンの高効率吸収とは?を時間帯や摂取量を調整し摂取したり、VC摂取と風邪の治療効果などなど、人体実験的に摂取していた時期もありました。
その結果、サプリメントは所詮サプリメントであって、食事ではない!という当たり前の結論に達し、凝縮すれば効率よく栄養素が補えるだろうなどという人間の浅はかな考えで、モノを作ってはいけない!と感じて以降は一切のサプリメントを摂取するのを止めました。

第二期食変化の時の考え方は、現在進行形でもあるのですが、出来るだけ人工的ではなく、手作りで身体に良いモノをキーワードに、「手作り酵素を作ることに熱中しました。現代人は酵素の無駄遣いが多い割に、酵素を摂取していないことから、その必要性を強く感じ、春と秋の年二回手作り酵素を作ることにしました。春は土より上に出るものにエネルギーがあるからと、野草を採取し、秋は土の下に伸びていくものにエネルギーがあるからと根菜類を中心にしたものを原料にして、漬け物樽に白砂糖と野草等の材料を入れて、糖抽出によって酵素を採取し飲む様にしました。
どうせ酵素を作ったことだから、一緒に断食もやるぞとばかりに、酵素断食も当時はまって、やっていました。
成人男性の一日の最低摂取カロリーを酵素に置き換えて、水と酵素以外は摂らない10日間生活を三ヶ月に一度の割合で行い、3日間断食は毎月行っていました。
ここで感じたのは、当たり前の様に固形物を普段摂取している我々は如何に身体に負荷をかけているのかを身を以て体験しました。
特に10日間の断食を行っている時は日に日に身体が喜んでいるのが分かるのです。現代人は酵素の大半を消化酵素に浪費しており、本来、痛んでいる内臓の修復とか、免疫力や抵抗力のアップに使うほどの酵素を残していないのです。ですから酵素断食も7日目を過ぎると、夜目がきいて暗闇でもハッキリ見えて来たり、空気の流れや風の匂いがハッキリ分かるほどに感覚が研ぎ澄まされてきます。まさに野生への回帰が実感出来ます。

そして現在、第三期は出来うる限り戦前の日本食に戻そうと、動物性タンパクの摂取を控え、ご飯を中心とした漬け物、味噌汁といった食事を行っています。どちらかというとおかず少々、ご飯タップリといった食事で、9ヶ月位になるでしょうか。感じたのは肉魚が無くても特に困らないことでしょうか。タンパク質は豆腐や納豆で充分摂れますし、仮に食べても量は少々で充分。
この第三期で感じたのは肌がツルツル、排便がより快調になったことでしょうか。元々排便は良かった方だったのですが、食後30分後には排便が促される様に身体が変わってきました。クライアントの中には三日に一度の排便とか酷いクライアントになると一週間に一回しかないなどと言う方もいますが、温度が37度の腸の中に一週間も生ものを置いていたらどうなるかは想像するとゾッとします。
明治維新になって諸外国から来た外国人達が驚いたのは日本女性の透き通る様な白い肌だったと言います「博多人形みたいぃ」って。
残念ながら今のテレビCMや通販番組で肌のトラブルやくすみを隠す商品が多くなっているのも、食環境の変化が大きく影響しているのだと思います。

生活の豊かさと食の豊かさは比例していますが、豊かな食とは身体にとって豊かであることが必須であり、自分の欲を満たすものであってはいけないのです。メタボにトマトが効果あり!と発表があった翌日の店頭からトマトが消えるのは異常な世界であって、食にスペシャルなものなど無いのです。
それだけを食べてれば良いとか、それを食べると○○になれるなど、単品で効果がある等とうたったものは研究者や商売人のエゴであって、世の中にあるわけないのです。本当に身体のことを考えればカロリー計算し尽くされた”計算食”よりもシンプルに身体にききわけた”体感食”という概念も必要なのかもしれません。それが何なのかは今後の研究課題ですが、まぁ楽しみながらボチボチやりたいと思います。生温くお見守り下さい…