先日私である先輩の中谷さんと埼玉県入間市の健康福祉センターで操体を行ってきた。ここでは毎年人々の健康増進を目的としたお祭りを行うらしく、私達操体の臨床家だけでなく整体師や気功をしている方等、健康に携わる人達がボランティアで集まっていた。私自身こういった場は初めてだったのでこのようなイベントを行っている事自体知らなかったのだが、想像以上に人々の健康に対する関心度が高い事に驚いた。
ここで操体を行う目的は「体がどのように変わるのか」「一人でも出来る体のメンテナンスの指導」であった。私は気持ちの良さを味わってもらうことで施術前と施術後に触診をした箇所がどのように変化したかを体験してもらうように心掛けた。また興味がある人には歩き方の指導も行うようにした。
施術を行いながら横で行っていた中谷さんの施術を見ていたのだが自分との違いは明らかにあった。大抵の人は体の動きを知らないので正しい体の動きが出来ない。その分施術者の指導力が必要とされるのだが私の場合はなかなかイメージした通りの動診が通せない。それは操体で得たものを自分の物に出来ていないからである。しかし中谷さんの臨床は操体で得たものを自分の言葉を使い、どんな人にでも正しい体の動きに導けるシンプルで分かりやすい問いかけを行っている。これを見ているだけでも中谷さんが如何に操体と真摯に向かい合っているかが分かる。こういった姿勢は私のような若い臨床家は見習わなければならない。
そういった事を勉強しながら私も自分なりに身につけてきたスキルで15〜20人位の体を診させて頂いた。100点の臨床とはいかないが患者の体の要求に応えられたと思う。そして終盤になり、またあるサプライズがあった。周りのお店の客足が遠のく中、私達の所に年配の方達中心に人の波が押し寄せたのだ。
「ここは気持ちが良いと評判だったから来たの。今からでもうけられる?」
周囲の口コミを聞いた人達がうけにきて下さったのだ。
私達は周りの会場が撤収作業に入る中、それでも残ってくれている人達を最後まで診る事で笑顔にすることが出来たと思う。
臨床家として患者の笑顔を見る事が最高の喜びである事も知る事が出来たのだ。
操体は人を笑顔にする事が出来る。笑顔にするという事は心と体が喜んでいるという事である。そういった「操体の力」を改めて知る事が出来た一日であった。
中谷さん、途中から手伝って下さった岡村さん本当にありがとうございました。