東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

美学。

先日の「東京操体フォーラム実行委員勉強会」で「自分の美学とは」という話になった。「美学」というのは本来「美の本質」を探求する学問だが、なかなか捉えがたいものである。
美学というのは、はたからみて「粋だな」というものではないかと思う。人に迷惑をかける類のものはどうなのだろう(一流のヒトは迷惑でさえ美学になるのかもしれない)。

「欲張り」と「探求」は違う。欲張りは他者からみてみっともない。探求はそうではない。その見極めも美学ではないかと思う。
欲張りと同義ではないが「ケチ」というのも美しくない(かといって浪費が美学とは言わない)。身なりに気を遣わないのも美しくない。
こうやって考えると私の美学は「粋」であり、「お江戸」なのだろうかと思う。

橋本敬三先生の考え「ボディの歪みと健康」が認められるには時間がかかった。
シベリア抑留から帰還後、医学誌に寄稿を続けたが、全く反応がなく、昭和49年(1974年)にはあきらめて書くのをやめられた。丁度入れ違いに、現代農業から「素人向けに書け」と依頼を受け、連載したものがまとめられ、「万病を治せる妙療法」が
出版された。その後はNHKから取材を受け、テレビでドキュメンタリーが放送され、操体は日本中に広まったのである。
それが79歳から80歳にかけてのことだ。