東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

自身の為にも挨拶。

おはようございます。
だんだんだんだん寒くなってきましたが、一日のはじまりは元気よくいきたいですよね。
あんまり気負って肩に力が入ってしまうのも良くないですが、せっかく夜寝ている間にバランスの神様がからだを調整してくれ、新たな自分自身として目覚めているのですから、自身の為にも良い姿勢、良い声(波動)をイメージして、調和に向けて元気よく挨拶したいですよね。それが、まわりとの調和につながるのではないでしょうか。まずは自分と自身の調和からですね。
 細胞単位で考えても、一日一日生まれ変わって2,3年後には、からだ全部の細胞は別物となっているとよく聞きます。からだが一日一日生まれ変わっているのに、気持ちが昨日を引きずっていては、今日の自分自身の調和は不十分です。何かが始まるとき、または何かを始めるとき、終えるときには、挨拶・儀礼をキチンと行うのは、まわりとの調和のみならず、自分自身の心とからだの調和の為にも大切なことだと思います。
 橋本敬三先生も著書の中で、練習時に初めと終りに行なう儀礼は体の中心に力点(重心)を集中するのであって、かくしてこそ体の崩れを防ぐことができるのである。と書いています。


 今日は比叡山・千日回峰行を二度万行した酒井雄哉大阿闍梨の語った言葉を紹介します。


人は毎日、新しい気持ちで出会える。         
                           酒井雄哉

「一日が一生」という気構えで生きていくと、あんまりつまらないことにこだわらなくなるよ。今日の自分は今日の自分、明日の自分は明日の自分、と考えれば、今日よくないことがあってもひきずらなくてすむ。
 あんなことを言われた、もうあの人と会いたくない・・・、そんなふうにクヨクヨ思っていると、翌日はもっと会いたくなくなる。向こうにも伝わって、互いに溝ができてしまうんだ。今日はちょっとした嫌なことだったかもしれない。それを明日あさって・・・と持ち越すから、心の中でどんどんふくらんで手が付けられなくなってしまう。
 「今日のできごとは今日でおしまい」
そう思って、明日は新しい感覚で進んでいけばいい。落ち込んだって、なるようにしかならないんだから、気持ちよくしていたほうがいいじゃない。
 けんかした相手や苦手な相手とすれちがう時には、堂々と出て行って「おはよう!」「こんにちは!」って言ってごらん。向こうがどんな顔しようと、向こうの勝手。こっちはニコニコしていればいいよ。
 そういうふうに何回も何回もやってるうちに、あっちもしょうがないから返事するようになっちゃうよ。たとえ昨日、いけすかないなあと思った人とだって、一日一生、と思っていればまた新しい関係が生まれてくるじゃない。
 今日のことは今日でおしまい。しこりを残さない。恨みを明日に引きずらない。それは国家同士であっても同じこと。一日一日、生まれ変わったつもりで、新しい気持ちで出会うことができれば、世界もきっと穏やかになるだろうね。

 朝日新書刊、一日一生〜 より



2012年秋季東京操体フォーラムは11月18日(日)津田ホールにて開催。