東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

師範代と気学

今年は私にとって数年後に振り返ると、多分、この年がターニングポイント
だったねって言う位、仕事にとっては大きな変化をみせた一年だったと思います。
その切っ掛けになったのが、三浦先生による師範代講習九星気学です。

操体の学びを得て気が付けば10年が過ぎていたのですが、自分の中で
知らず知らずのうちに、師匠からの学びに甘え、インプットに慣れてしまい、
学んだことを自分から伝えるというアウトプットを殆どしていないことに気付きました。

人に物事を教えたり、伝える作業をした経験がある方なら分かると思うのですが、
人に物事を伝えるとは、理解したつもりでは決して伝えることは出来ず、
理解を腹に納め“納得”に変えないと、物事を他人に伝えることは出来ないのです。
つまり、理解したと思っていても自分の中で落とし込み、変換する作業が必須なのです。
今迄の10年間はこの落とし込み作業を一切せず、自分の中のみに納め、
操体という大海原で遊ばせて貰っていたような気がします。

ですから、正直、最初にこの師範代というお話を三浦先生から伺ったときも、
自分の操体が更に深められるなぁ〜などと、『師範代』という、
その称号に対しての重みを全く理解せず、気軽な気持ちでスタートしました。
当然内容は今迄の勉強会以上にハイレベルで、操体の神髄がそこにはありました。
そして、最終日に試験があり、結果もさることながら、最終日に三浦先生から、
「この師範代というポジションは単なる資格ではない!称号として与えるんだ」
という話しを伺い、自分の認識の甘さを改めて知ることとなりました。

戴いた『敬勇』という称号は、橋本敬三先生の一文字を戴いており、
要は橋本敬三の一字を名乗る気概がお前にはあるのか!あると思うからこそ与えたのだぞ!
よく考えて名乗れよ!と、橋本敬三先生の遺志を受け継ぎ、進化(深化)させてこられた、
三浦先生からの問いかけでもあり、橋本先生からのメッセージのような重みを感じることが出来ました。
私にしては珍しく、島根に帰ってから、落ち込みました。いい意味での落ち込みだったと、今では思います。

何だかギアがもう一段変化した気がしました。10数年、操体と向き合ってきた中で、
今後どう取り組んで行くのか、操体の伝道師としての腹積もりを、
島根に帰っての数日間で括れたような気がしました。

更に幸運だったのは、この師範代講習から間を空けずに、今年前半辺りから、
少しずつ面白そうだからという単純な理由で、学び始めていた九星気学とのご縁が、
師範代講習と相まって相乗効果を生むこととなりました。

このご縁は私のクライアントの中に、埼玉在住で主に企業コンサルタントを行っていらっしゃる方が、
島根出張の際に月一度、操体施術を受けて戴いていて、話しの流れで操体と気学との類似性の話になったのです。

元々、独学で四柱推命とかをかじっていたこともあったので、面白そうだし、
最初は占いの延長線位で考えていたのですが、その考えの根底にあるのは、
宇宙観であり、他人依存ではない、自らが不足しているものを積極的に取りに行くといった、
おおよそ棚ぼた式にそうなったらいいなぁ〜的な占いなどといった類いとは違う考えに、何か引かれるものを感じました。

そのクライアントの方に、「今度、TOEというクラスがあるので、
良ければ受講されたらどうですか?」とのお誘いに、断る理由も余り見当たらなかったので、
勢いで受講しました。この断る理由が無い瞬間が私の人生では何度かあるのですが、
その殆どがターニングポイントとなっているのです。

このT.O.Eとは最新の認知心理学・行動心理学に基づいて、
【事実の受け取り方と行動の関係性】や【自分に対する期待度と行動の関係性】を学び、
脳のクセを活用した目標の作り方と、達成するための行動を具体的にしていくといったものです。
成功の法則を学び、目標を実現する能力=脳力を育てる習慣を身につけるコツを身に付けるというのが主な内容です。
正直最初はよくある能力開発セミナーかと、受講した当日の午前中もそう思っていました。
「あ"〜騙された」と、若かりし頃に何度かこの類いのセミナー行ってたよなぁなどと、
後悔しつつ受けていました。
ですが、午後の部の講義内容のあるフレーズに、釘付けになってしまい、頭の中でファンファーレが鳴りました。

何故、操体における第三分析以降の施術が人間の根底から変えていけるのか、
常識を超越した現象や結果が出るのかが、理由が分かったのです。それまで、
説明するのに難しかった部分が非常にクリアーに自分の中で解決出来たのです。
それ以降の内容も殆どが操体の考え方とリンクする部分が有り、帰りの車の中では一人ほくそ笑んでいました。

これで、変わるぞという確信と、自身を得ることが出来ました。
橋本敬三先生は治療で忙しい三浦先生をみて、「治療所にばかり籠もって患者ばかり診ていると、脳みそがくさるぞ」
と仰ったそうですが、確かに臨床や操体の畑の中ばかりから見ていたら、発見出来ない気付きでした。
今では自信を持って「なおすことまで関与するな」の意味が理解出来ます。

常に自らが全方位に様々なアンテナを張り巡らしていれば、
思わぬ所から素晴らしいヒントやチャンスを得ることが出来ます。
自分は臨床家だから異業種から学ぶことなど無いなどと思っていれば大間違い、
異業種の中にこそ、大いに学ぶべきヒントがあることを今年は学ばせて戴きました。

来年は年男で、まさに私にとっては飛躍の年になるであろうと、確信しています。
来年はどんな出会いがあるか、今からワクワク愉しみです。
人との出会いこそが自らを更にステップアップさせるキーなのですから。