(144p)
小池 ある一定の枠内のところに画一敵に入らないといけないという空気があるんでしょうね。
こうした画一化、ないしは標準化の問題は様々な分野で生じているのではないでしょうか。
「ちょい太」などといわれてる人たちがわりと健康的であるといデータがあるにもかかわらず、一般的にはなぜか瘦せていないといけないという風潮がありますよね。
「メタボ」 という言葉がさらに拍車をかけている面もあります。
時代の価値観ある種の思い込みによって過剰な 「画一化」 をしている面もあるように思います。
(155p)
甲野 そこにいないといけないといった強烈なしめつけががある。
だから 「いじめをなくしましょう」 などといったスローガンや学校の制度をいじるより、根本的な価値観自体を変えなきゃいけないと思います。
職業や価値観をはじめ、人それぞれいろいろな事柄を認めていく。
つまり、江戸時代みたいにものすごい沢山の種類の職業があるようにするとかね。
とにかく多様性を認めなくなっていることが、いじめやつまらない糖質制限に関する論争のもとになっているということはありますよね。
[参考文献]
- 作者: 甲野善紀,小池弘人
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2013/06/14
- メディア: 新書
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標準値や基準値はあっていいと思います。 しかし小池先生も仰っている様に、
『 適量ということがわからなくて、すぐ両極的な発想になってしまって‐‐‐(中略)---善悪じゃなくて、グラデーションのある発想にもっていかなければいけないのではないでしょうか。 』 (105p)
という事でしょう。昔から 「医者と坊主は年季が入ってる方がいい」 と言われますが、やはり、名医による匙加減、 「目利き」 による適材適所の配材が必要でしょう。
どちらも、臨床経験を生身に刻んだ慈眼の人の為せる仕事です。
こういう練達の師を増やすとともに、甲野先生の仰るように多様性を認めていく方向を模索していく必要があると思います。