東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

今日6月25日誕生日の方々、お誕生日おめでとうございます。
意識で始めたら今も未来の羽扉、羽ばたいて下さい。

ということで、羽にも筋、筋金入れて更新するお題は”筋”。

筋肉を覚えなければ、身体を扱うエキスパートにはなれない。
そう考えているセラピストは意外に多いように思う。
なので、筋肉の名称やら、始まりから終わり、支配する神経、
まあ、人間ってのは覚えたら使いたがるのが常である。

ただ、ちょっと考えてみたらわかるように、動かない筋肉の
動きをイメージで目の前に生きている人間に当てはめてみて、
どの程度分かっているといえるのだろう?考えてみてほしい。

勿論、人様の身体に触れるなら知っておくに越したことはない
し、それを学び、記憶して、克明に描き出すことができてこそ
臨床のセンスに繋がってくることも、確かな事実としてある。

一つの例を挙げよう。

実際のからだは、一か所の筋肉のみ動かすことなど出来ない。
例えば、表層筋と深層筋に分類できるのは、一体何故なのか?
例えば、横紋筋と平滑筋に分類できるのは、一体何故なのか?

…これらの分類をする目的はなぜ必要だったのだろうか、と。
それは、細分化して識別したかったからであろうし、識別して
機能を一致させておくことで、安心したかったのであろう。

そう、安心なのである。これは「楽」と置き換えてもいい。
人間の性(サガ)というか、知識的要求として、不安定な状態を
わかりやすい”カタチ”で理解し安心していたいのであろう。
いわば、「型」創り上げるプロセス、そのものなのだ。

表層筋ならば、瞬発的で急速な脱力にも十分対応できるだろう
し、さらに言えば、多くの関節をまたぎ一気に動かすのも有利。

深層筋ならば、可動域は狭くなる代わりに安定性はぐんと増す。
また、持続的な動きにも対応しやすく、血行上も疲労しにくい。

ゆえに、表層筋群は「白筋繊維」が多く認められ、深層筋群は
赤筋繊維が多く見て取れる。(赤=ミオグロビンの働きによる)

ここで一息入れてほしい。先日の三浦寛理事長のブログにあった
呼気は「オッオッオッ」と、吸気は「ホッホッホッ」と通しつつ
しばらく「息(ソク)」を通して落ち着いたら、もう一度・・。

操体」では、人の動きはどんなに多様に見えても、どんな複雑
な動きでも、分類したうごきは”八つ”なっていると学んでゆく。

まるで、生き生きと活性化した土壌を自在に動き回る、その土壌
こそが、植物的「快」の土台となって、私たちを生かしてくれる。

からだは、常に連なって動く。「連動」しているのが、「からだ」
それを診て摂れるように(息を通して観ることで共有できる土台)
学ぶことができるから、「操体」は面白い。

シンプルでブレがなく、愉快に学ぶ…植物と共に羽ばたく可能性!
では背中に仕舞った羽を広げつつ、ありがとうございます。