佐助が担当する最終日です。最終日の今日は痛みについて、自分が感じるところ書いてみたいと思います。よろしくお願いします。
整形外科には、痛みを主訴とする患者さんが多く来院されます。そしてその多くの方が「痛みが取れれば・・・、痛みさえなくなれば・・・」と言われますが、痛みはそんなに悪いものなのでしょうか。また、痛みさえなくなれば本当に良いのでしょうか。
痛みは防御反応であり、からだの警告のサインの役割のはずです。
痛みの出現時に、からだの使い方・動かし方に注意をしたり、からだのケアをしたりなどで痛みのサインは消失しますが、痛みを無視したそのままの状態では、形態にも変化が生じてきます。
痛みは感覚であり、脳で認知して痛みという感覚が生まれるために、必ずしも形態の変化の程度と痛みが比例しているわけではありません。
例えば、変形性膝関節症の膝関節が、変形が非常に強いにも関わらず痛みをまったく訴えていない方もいれば、変形は軽度でも疼痛性跛行が出現するぐらい痛みが強く、長期に悩まれている方もいます。
骨折部が修復しても痛みが残存する方もいれば、骨折部が修復していない段階で痛みが完全に消失する方もいます。
痛みとからだの形態が必ずしも一致するわけでないと書きましたが、整形外科の多くの所見テストは、抵抗を加えたストレスと痛みの関係などから判断します。また、痛みから腫瘍がみつかることもあり、痛みと状態が一致することが多いのも痛みの特徴です。
痛みは感覚だからこそ、反射や反応しても現れますし、痛みを脳内で記憶することもあれば、作り出すこともあります。
痛みとは複雑に感じるかもしれませんが、考え方を変えると、からだの形態と痛みは必ず一致するわけでないということは、からだには痛みを鎮める能力が備わっているということです。
そして操体法の学びには、たくさんのヒントがあります。
からだの能力には驚かされることがたくさんあります。からだに備わっている能力や反応を、臨床を通してみていると、痛みも感覚のひとつということに改めて感じられる今日この頃です。
次回の担当の時に、痛みについて詳しく書きたいと思います。
今週はこのあたりで・・・。ありがとうございました。