東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

「環境とおさめ」

先日、藤川球児選手の独立リーグ高知への入団会見を見たのだが、私はこれも一つの「おさめ」だと思った。

 

大リーグから日本のプロリーグに帰ってくる選手が思うような活躍が出来ていない中、ネットでは藤川選手の決断を賞賛する声が多く見られ、私も同じ思いだが、それ以上に彼の決断は「おさまるところ」に帰ってきたという印象が強かった。

 

私は巨人ファンであり、野球を一番観ていた頃の藤川選手は天敵とも言える存在で、彼がマウンドに出てきた時は試合終了のように思っていた時があった。それだけ巨人ファンからすれば、彼は「目の上のタンコブ」であったのだが、心のどこかで彼が投げる「火の玉ストレート」に惹かれていたのも偽りのない思いがあった。

 

そんな彼が阪神を出て大リーグにいった時は野球の一ファンとして応援していたが、怪我もあり中々ファンの期待に応えられない成績のまま退団した時はガッカリしたが、今回の四国に入団を決断した彼の野球に対する姿勢、思いは野球ファンとしてだけでなく、同世代の男として素直に見習いたいと思う。

 

またこの会見を見て思ったことは人間にとって環境がいかに大切であるかということである。

 

どういった環境で自分のやっていること、取り組んでいること、また命の営みを全うしていくかで心のバランス、調和がいかようにも変わる。きっと自分の身心がおさまる環境に自分の身を置くことが命にとっても自分にとっても必要なことではないだろうか?

もちろん厳しい環境に身を置くことも必要だと思うが、その厳しい中にも自分をおさめられる場所が必要なのだと思う。

 

今回、彼が決断したことは自分が操体の臨床家として、いずれ訪れる決断するべき時に大きな力になると思う。

お金や地位以上に大切なことがある。自分がおさまるところにおさまるような生き方の選択をしていきたい。