こんにちは。
梅の花がほのかに香り、陽の光にも春の訪れが感じられる今日この頃です。私の住む地域も、からっ風が吹かなければ、日中は穏やかでついウトウトしてしまう陽気なのですが、雲が立ち込みひとたび風が吹くと、春めいた空気は飛ばされ、土煙とともに一瞬で冬に逆戻りといっと感じです。部活帰りの自転車の女子高生も、ほっぺを紅潮させ、風に倒されまいと必死でペダルを漕いでいます。グンマ―県ですからね。風吹く環境とともに逞しく。
今週のブログは友松が担当いたします。どうぞ宜しくお願い致します。
今回のテーマは「アプローチとメッセージ」。
からっ風が春の嵐となって吹きすさぶなか、道行く人は皆、上着の襟を掴み前かがみに身をかたくさせて風に耐えながら歩いています。つい数時間前までは、春めいた陽の光の心地よさに一旦立ち止まり、胸を開いて伸びをするようにして、解放感を味わっていた人もいたというのに。
なんとなく、イソップ童話の「北風と太陽」の話を思い返していました。たしか、北風と太陽が旅人の上着を脱がすという、力比べの勝負をする話でしたね。
北風が力いっぱい吹き、強引に上着を吹き飛ばそうとしても、かえって旅人は上着をしっかり掴んで離そうとしなくなり、脱がすことはできなかった。しかし、太陽が照りつけると旅人はその温かさで、自分から上着を脱いでしまった。そんなような話だったと思います。
この話も、北風と太陽の上着を脱がす方法論と結果だけでなく、旅人へのアプローチの仕方と捉えると、物語の厚みや深さが増してきます。そうすることで、生きていく上での、その場面場面で応用できるメッセージが感じられてきます。
例えば、人間関係が上手くいってないと思った時に、ちょっと思い返してみて、相手の事はそっちのけで自分が横柄になっていないか自戒してみるのも良いでしょうし、早く結果を出そうと焦っている時なども、強引に事を進めて失敗しないように思い返してみるのも良いと思います。
また、人様のからだを診されていただいている我々も、この童話のメッセージには気づかされることが多いと思います。からだにもパーソナリティがありますから。それを無視して、無理やり施術者の意向ばかりを押し付けても、厚手の上着をさらに着込むようにして頑なになってしまうでしょう。そうなるとやっかいです。どんなアプローチにも不快感を示し、その人の精神にも影響を与えてしまう。わざわざ複雑で難しいものにしてしまうという事であり、「どこへ行っても治らない」という不満を抱える人を増やす事にもつながってしまいます。
いきなり症状、疾患を抑え込もうとするのではなく、負担なく、からだが気持ちよくなることを第一に考えてあげられる、そんな暖かみ。どんなアプローチをするにせよ、大切なことだと思います。
2017春季東京操体フォーラム4月29日(昭和の日)に開催します!