東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

プロとマネー・・・3.

おはようございます。

 

プロとしてお金をいただくのは大切なことです。お金をいただき、生業を継続して高めていく事で、公共にも貢献する。

 

操体創始者橋本敬三先生はNHKラジオに出演した時に「金儲けしたいと思うと、これは本当に他人に迷惑をかけるんだ」と言っています

しかし、これはお金をいただくことが悪い事だと言っている訳ではないのです。

自分のやっている事に対して値段を決め、依頼者も承知、納得して依頼する。ここに何の問題もないのです。

 

しかし、リーマンショックの時のようなのは、いただけない。

リーマンショックの引き金になったサブプライムローン。この低所得者向け住宅ローン。これの目的そのものは悪いものではなかった。

しかし、そこにオプションを付け、売買して利ザヤを得るというものに変わっていってしまった。その本来の目的から逸脱した行為は、それを必要としている人を無視したただの金儲けでした。

その結果、実体の無い妄想の世界で欲望が欲望を生み、上向いていた景気を急降下させ、アメリカだけの問題に留まらず、日本を含め世界中が迷惑を被ってしまいました。迷惑とは、他の人の不利益、不快感を感じさせたり、迷いや戸惑いを与えることですね。

 

橋本先生は「人間は欲望はあるんだけれども、その欲望を満たすのにも、有り難いと思っていれば、人に迷惑のかかるような欲望は起こさないんだけれども」と言ったうえで続けて「金儲けしたいと思うと、これは本当に他人に迷惑をかけるんだ」と言っているんですね。

 

プロとして、お金をいただくことは大切ですが、それを必要とする人を無視した、相手お構いなしの金儲けであってはならない。意識しておくべき事だと思います。

操体臨床の場合は、それを必要とする人のからだと向き合う訳ですから、からだの感覚を無視した操体は無いのです。あくまで治すのは、からだであり自分自身なのですから。