おはようございます。
お金は経済の血液とか言われますが、血液は循環して生命活動を支えています。
血液は少なすぎてはいけませんが、多ければ良いというものでもありません。また、どこかで滞りができ、流れが悪くなれば、からだの不調を招きます。
世間的には金額的な見返りの多い職業がもてはやされますが、それだけで一生涯の生業としてやっていけるかというと、そうでもない。
いくら高収入でも、やっている事に何か後ろめたさを感じたり、公利、公益性のない仕事であれば、身が入らないのではないかと思います。
また、制度とか仕組みを考える立場にある人が、私利に向けて溜め込む事ばかり考えていては、みんなが迷惑すると思います。
血液だって末梢の微小な循環こそ大事であり、隅々まで行き渡る事で細胞も元気でいられ、その人の健康を支えているのですから。政治家の先生方には特に気を付けていただきたいと思います。
江戸時代に石田梅岩という、商人から思想家となった人がいました。
この時代は武士の世であり、金銭を扱い経済を担う商人は、卑しい存在とさげすまれる風潮が強かったようです。そういう偏見に対して、まっこうから立ち向かい、商行為の正当性を主張した人だったようです。
「正当な経済行為の結果としてもたらされる富は武士の禄と同じで、何ら恥じるものではない。堂々と儲ければよい。ただし、その利は正直と倹約によって得るものでなければならない」と説いていたといいます。
商人が儲けるにしても、私利強欲であってはならない。倹約について梅岩は、いくつもの教えを残しています。代表的なのが「3つ入るものを2つにてすむようにする」という教え。
これは、自分の欲の為にただケチるのではなく、3つ必要であったものを2つですむように努め、余った分は公共の為に奉仕、貢献しようという事。
私たち操体臨床家は商人ではありませんが、自然法則の応用貢献をする中で「3つ入るものを2つにてすむようにする」ということを、かたちは違えど実践していると思います。
自然法則に則した、からだの使い方、動かし方の指導もそうです。
からだの使い方には消耗に向く使い方もあれば、無理のない能率的な使い方もあるのです。無理のない能率的な動きを実践していただければ、余った元気を他の人の為に役立てられるではないですか。
みんながそういったことを意識して実践すれば、善い循環が生まれ、きっと世の中は今よりもっと良くなっていくと思います。