東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

感謝➀

人類にとって最も基本的な感謝

 

 地球生物の生命活動の根幹を担う重要な元素であるナトリウム。 地球上のすべての生物といってもいいくらい生命体にとって、ナトリウムは生きていくのに必要不可欠な元素である。 我々人体についても例外ではない。

 

 本来、ナトリウムは単体においては金属であるが、水と化学反応を起こし、ナトリウムイオンになる。 そのナトリウムイオンが水に溶けたものが食塩水である。 地球生命体の中ではこのナトリウムがナトリウムイオンの状態で存在している。

 

 人間が生きていく上でナトリウムが極めて重要な要素であることは、重篤な入院患者に対して絶対見落とすことが許されないチェック項目であることでもよくわかる。  通常、体内の血液やリンパ液のナトリウムイオン濃度が一定の範囲に収まるよう、病院では厳密にコントロールされている。

 

 もし、異常が生じてナトリウムイオンが増えすぎたり減りすぎたりすれば、からだに深刻な症状が現われ、最悪の場合、絶命することになる。 だから病院では入院患者の血液中のナトリウムイオン濃度に少しでも異常の生じる可能性があれば、測定を繰り返し、常に一定の数値に収まるよう厳密に管理しているのである。

 

 数ある元素の中でナトリウムの果たす役割は際立って大きい。 地球生物の体内細胞の殆んどすべてがナトリウムを利用して活動している。 特に神経細胞と筋肉細胞がナトリウムに大きく依存している。 神経も筋肉もナトリウムイオンの通り道があって、神経伝達や筋肉収縮が起こる。 これらの機能の主要な働きはナトリウムが媒介することで実現されている。

 

 有機生命体における形態に必要な物質というだけなら、水・炭素・酸素・窒素・リンなどがあればこと足りる。 しかし、食糧確保、生殖行為など、自然環境の中で生きながらえるためには、生命体としての高度な機能を発揮しなくてはならない。 そのために、頭脳にはミネラルが必須である。 そのミネラルこそがナトリウムなのである。

 

 地球生命はこのミネラルを用いて進化することができた。 もし、海が淡水だったとしたら、現在のような豊かな生命は存在しなかったはずである。 地球の海水が塩水だったことは、生命にとって最大の幸運であり、人類にとって最も基本的な感謝である。

 

 

2017年秋季東京操体フォーラムは、2017年11月23日(木)に開催致します。

テーマは「生エネルギーと性エネルギー」です。

2017年秋季東京操体フォーラム速報