人類誕生の功労者、月に感謝
昨日は生物の主要な形態要素である 「ナトリウム」 について述べたが、今日はそのナトリウムを含んだ海水ができる一番の功労者である 「月」 を考察してみる。
銀河系宇宙の中で地球は水の惑星と呼ばれているが、地球の表面を覆っている水は、もともと地球にあったものではない。 地球は太陽系に漂う岩石の塊であり、その当時は水のない惑星だった。 塩水になる前の地表面にあった水は彗星の衝突や火星や木星の間にある隕石が運んできたものとされている。 だからその当時の海水は塩水ではなく淡水であったとものと言われている。
彗星や隕石が運んできたにしても、もともとの水分にはナトリウムはほとんど含まれていなかったのである。 では、海はどのようにして塩水になったのか。 塩は塩化ナトリウムであるので、海が塩水になるには、「ナトリウムイオン」 と 「塩化物イオン」 が必要になる。
塩化物イオンは火山ガスとともに地球内部から地表に大量に供給されていたので、海の誕生と同時に海の水に塩化物イオンが溶け込んで、塩酸を大量に含んだ海になっていったものと考えられている。
塩水になるためのもう一つの要素、ナトリウムの方は地殻の岩石に含まれていたので、これに塩化物イオンが溶け込んだ海水の塩酸によって溶かされ、塩水になったものだと推測することができる。
地球が誕生した当初、地球と月は現在の12分の1の距離しかなかった。 その分だけ引力も大きく地球に与える影響も凄まじく絶大なものであったようだ。 万有引力というのは、その距離12の自乗に反比例する。 つまり、引力は現在の144倍だったということになる。
潮の満ち引を起こす原動力は月の引力によるもので、現在の144倍の干満差があったという計算になる。 それは凄まじい大嵐が常に起きていたということなので、地殻はその大潮の流れで削られ、陸地にまで海水が押し寄せた結果、地殻の岩石に含まれたナトリウムが一気に海へ溶け出すことになった。
このように地球生命を育むことになった塩水という海水の環境は、月が地球の惑星としてもたらした潮汐力の賜であったと言える。 そして、塩の海水から単細胞生物が誕生し、その後、地球の満潮時の膨らみにより、月が加速して地球から遠ざかってくれたおかげで多細胞生物の進化、つまり人類の誕生につながったのである。
これらのことを勘案すると、ナトリウムイオンを生み出してくれた 「月」 に対して、多大な感謝をする次第である。 太古の昔より 「月」 が人類にとって信仰の対象となっていることにも大いに関係があるように思う。
2017年秋季東京操体フォーラムは、2017年11月23日(木)に開催致します。
テーマは「生エネルギーと性エネルギー」です。