五日目からは、「労働にくいつく」 から 「呼吸エクササイズにくいつく」 に変わる。 私のまわりには○○ブレスセラピーなどという、呼吸エクササイズで夢中になっている人がたくさんいる。 しかし、そのような方法で呼吸を損なった人に、私はくいついた。 そして、この二、三年の間に別枠の治療収入を得ることができた。
書店の棚には呼吸エクササイズについて多くの本が並んでおり、誰もがそれを他人に教えようとしている。 こういう人たちは、「たくさん呼吸するほど酸素の流入が増える」 などと言っているが、そのあげく、私のところへやって来る。 私は、そのような本の著者や、呼吸スクールの創設者、その他の呼吸エクササイズに関係した人たちに大いに感謝したい。
空気は第二の種類の食物であり、化学や物理学で研究される現象などのあらゆることにおいて、正確な 「比率」 が必要とされる。 結晶作用は一定の対応があって初めて起こり、そうなったとき初めて、何か新しいものが得られる。
あらゆる物質は一定の密度の振動をもっている。 正の物質と負の物質の振動の組み合わせが可能であれば、物質間の相互作用は、異なる物質の振動間の厳密な対応によって初めて起こる。 しかし、実際の振動が厳密に合致していないと、いかなる組み合わせも不可能であり、機械的混合を生じて、元の構成要素に分解できてしまうので、新しい物質にはならない。
このように組み合わさる成分の量も、決定的な比率でなければならない。 ホットケーキの練り粉をつくるには一定量の粉に対し、一定量の水が必要である。 必要な量より少ない水ではまともな錬り粉はできない。
通常の呼吸は機械的であり、必要な量の空気を機械的に摂取している。 空気が多すぎると、一定の密度に組み合わさらないから、正確な比率が必要である。 一般の本やスクールで行なわれているような方法で人為的に呼吸を制御すると、からだは不調和を引き起こすことになる。
明日につづく
4月30日(月)に開催致します。
テーマは「スポーツ障害と操体」です