一般に行なわれているような人為的な呼吸制御を行なうと、からだは不調和を起こすと、昨日述べた。 従って、人為的な呼吸がもたらすかも知れない弊害を避けるには、他の食物を相応に変えなければならない。
そうするには、完全な知識があってのみ可能である。 たとえば、胃は一定量の食物を必要とするが、それは単に栄養摂取のためだけでなく、胃がそのように慣れているからである。 我々が必要以上に食べるのは、単に味覚のためや満足感のためと、胃が一定の圧力に慣れているためである。 胃の神経は、胃中の圧力がなくなると、この神経が胃の筋肉を刺激し、空腹感を与える。
からだの多くの器官は、我々の意識を伴わずに機械的に働くことができる。 これらの器官のそれぞれが独自のリズムを持ち、異なる器官のリズムが相互に一定の関係を保っているのである。
たとえば、呼吸を変えれば肺のリズムが変わるが、あらゆるものが関連しているので、他のリズムも次第に変わってゆくことになる。 人為的呼吸を長期間続けると、すべての器官のリズムが変わるかも知れない。
もし、胃のリズムが変わることになれば、食物を消化する時間も変わってしまう。 食物が胃中に3時間とどまる必要がある場合、胃のリズムが変われば、食物が速く通過してしまい、胃が食物からすべての必要なものを摂取する時間を失ってしまうことになる。 胃はそれ自体の習慣をもっている。 別の器官ではこれと逆のことが起こるかも知れない。
明日につづく
4月30日(月)に開催致します。
テーマは「スポーツ障害と操体」です