東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

呼吸エクササイズにくいつく③

 知識を持たずに故障した機械をいじるより、それに干渉せず、悪い状態のままにしておいた方が何倍も望ましい。  これと同じように人体組織は非常に複雑にできていて、異なるリズムと異なる必要性を持つ多くの器官を内蔵し、しかもこれらの器官は相互に関連しているからである。  

 

 あらゆるものを変えるか、何も変えないか、そのいずれかでなければならず、そうでないと、改善ではなくて、害を与えることになるかも知れない。  正直に言うと、人為的呼吸は多くの病気の原因である。  たまたま例外的に、手遅れになる前に中止した場合にのみ、弊害を免れている。  長期間続ければ、その結果はいつも有害である。

 

 自分のからだについてワークするには、自分という機械のあらゆるネジ、あらゆる釘を知らなければならない。  そうすれば、どうするべきかがわかってくる。  少ししか知らない知識で試みると多くを失うかも知れない。  からだという機械は非常に複雑であるから危険が大きい。  簡単に壊れる非常に小さなネジがあり、強く押すと壊れてしまう。  しかもこういうネジはお店で買うことができない。

 

 呼吸制御は非常に慎重でなければならない。  もし、今、呼吸の実習をしている人がいたら、手遅れにならないうちに呼吸制御に 「くいつく」 のはやめた方が良い。  からだのすべての知識を知ったときは、また別の問題である。

 

 

明日からは香実行委員に 「くいつく」 のバトンがわたります。  お愉しみに!

 

 

2018年春季東京操体フォーラム

4月30日(月)に開催致します。

テーマは「スポーツ障害と操体」です