東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

からだに快の質をききわける。

おはようございます。

 

一つ一つの動きから、からだに、気持ちよさをききわける第2分析(D2)において、大事なのは快感度の質をからだにききわけるということです。

 

操体の病に対する捉え方は、

からだが本来のバランスを保てず、不快な動きの方向に歪むと、
気持ちが悪くなり(感覚異常)① → 動きも悪くなり(機能異常)①’+② → 壊れてくる(異質異常、破壊)①’’+②’+③というプロセスとなります。

数字と数字の記号は、異常が進んでいくと、先にあらわれた異常も増幅されていくという事を表しています。エントロピーが増大すれば、それだけ痛みや辛さの不快感覚も増すということでもあります。

ですが、このプロセスは有難いことに可逆性にもなっております。

これを、第2分析(D2)に当てはめますと、

からだにききわけた快適感覚を味わう事によって、からだがバランス制御に向けば、①の気持ち悪さが軽減、消失に向かい → ②の動きもよくなり → ③も回復の可能性が高くなる。

この可逆性を可能とするのに重要となるのが、快感度の質という事になります。

 

快のききわけも、どんな感じで気持ちが良いのか、その気持ちよさはからだの要求感覚を満たしているのか、といった快の質をききわけることが重要です。

そして、からだの要求感覚を満たした快の質を味わう時空によって、その人特有の歪み、病へのプロセスを、からだが可逆変化させる為のバランス制御に向かうのです。

 

快に問いかける診断法が体系化されてから、随分と年月が経ちますが、まだまだ一般的には気持ちよさで治る、良くなるという真実が、体験していただくまで判ってもらえない事が多いです。

しかし、様々な病回復の可能性を高める為にも、ただ気持ちがいいだけでなく、どう気持ちが良いのかを、からだにききわけるという事は必要なことなのです。