東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

改めて見直してみる(二日目)

先日、操体の定例講習で、被験者が膝二分の一屈曲位での足関節の内反、外反をやりました。
 
足関節の外反の場合、最初に外反させる側の膝を、外側に倒しておきます。
 
面白かったのが、
 
男性は「膝を開いてください」という言い方の方がイメージしやすいのですが、私ともう一人の女子は「脚を倒してください」の方が安心感があるという結果?が出ました。
 
 
以前、実行委員や周囲に聞き取り調査をしたことがあります。
 
足趾の操法を行う際、脚幅を操者が調整することがありますが、突然両足首を掴まれて「ガバッ」とやられると、男性でもイヤだそうです。
当然ながら、女子もイヤです。
 
やるのなら、失礼します、と一言断って、片方ずつ、が基本です。
 
①膝を倒して
②膝を開いて
 
であるならば、男性は②のほうがやりやすいと感じ、女性陣は①の方が安心ということです。
 
「足を開け」というのは、ご想像どおり、親しい人には使いません。使うとすれば、相手を「性的対象として見下している」場合とかでしょう。
私が思い出すとすれば、体を売っている人に対してとか、DVなどで女性を殴ってから強姦するとか、良い感じは全くしません。
 
 
ただし、治療家でサラッと言える人もいますが、ザラにはいませんので、普通の人はやめたほうがいいのです。
 
 
なお、これも言っておきましょう。
 
女性が「膝を開け」と言われ、まず思い出すのは、婦人科にある、内診台です。
 
まあ、婦人科の看護師さんは慣れていますので「機械が開きま~す」とか「お膝が開きま~す」と言ってくれますが、機械に足をくくりつけられて、いわゆる「大股開き」をさせられるわけです。
 
 
自分は男性しか診ない、という方なら別ですが、人様のからだに触れる仕事をする方は、一度、婦人科に行って、あの台に座って、開脚姿勢を取ってみるといいと思います。
 
男性も、一度「ハイヒールを履いて歩いてみる」とか「婦人科の内診台に乗っかって膝を開いてみる」というのを体験してみればいいのに、と思うのは、私の意地悪でしょうか。
 
 
そのような経験をしたことがないので「膝を倒す」も「膝を開く」も、同じだし、「膝を開く」のほうがすんなり、ということになるのかも。
まあ「開け」というのは圧倒的に男性が多いわけですから、当然と言えば当然なんですが。
 
 
ちなみに「おばあちゃんだから『足を開け』とか『膝を開け』と言っても大丈夫だろう」と思うのは大間違いです。
(これを勘違いしている人が多い)
 
 
私がこういう話をすると「また畠山がうるさいことを言っている」と言われそうですが、
受講者や指導者に男性しかいない場合、こういうことに気づかないことがあります。
 
受講生は毎年変わるので、やはり注意しなければなりません。
 
生物学上の女がモノ申さないと、気がつかない方もいるからです。
 
以前、整体を習ったという人に、操体を指導する機会がありましたが、触れ方や声のかけ方が「ホントにクライアント診てるのか?」というくらいで、また、クライアントの殆どは女性だと聞きましたが、やはり二度と来ない人が多いとのことでした。
 
 
こういうことについても、たまには見直さないといけません。
 
 
 
2019年春季東京操体フォーラムは4月29日開催です。
 

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