東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

改めて見直してみる(三日目)

三日目です。
 
私が三年間に渡って易を習った(日本易道学校@創立昭和13年)福永利貞先生が、易の入門書を出版されました。
Kindle(電子本)ですが、先輩が後輩にやさしく伝授する、後輩が質問する、というつくりになっています。
 

 

易 その不思議と魅力 その方法

易 その不思議と魅力 その方法

 

 

 
この本では、普通の見方(得卦と之卦)だけではなく、易をタロットのスプレッドのように展開する技法も紹介されています。
 
それはさておき、この本(電子本なので、iPhoneで見ていました)をぱらぱらっとめくっていると、ある卦が目に入りました。
 
 
山風蠱(さんぷうこ)です。これは、お皿の上に果物が乗っているけれど、下の方が腐って虫が湧いている、というイメージです。
また、山は「少男(若い男)」風は「長女(いわゆる熟女?)」の意味がありますので、年上の女と若い男の関係を示すこともあります。
 
 
が、これを読むと
「蠱は、元いに亨る。大川を渡るに利ろし。甲に先立つこと三日。甲に後るること三日」とあります。
 
以下は、福永先生の意訳です
 
物事や制度は、放っておくと必ず綻び、退廃してくものなのだよ。
だから必ず、時折見直しや大きな改革をしなければならないのさ。
それがきちんとできれば、大きく困るような事態にはならないさ。
 
そして山風蠱の初爻(初六)
「父の蠱を幹す。子あれば考咎なし。厲うけれども終に吉」
ちちの こを かんす。こあれば ちち とがなし。あやうけれども ついに きち。
 
先人の作った制度やきまりというものは、それがたとえどれほど優れたものであっても、必ず時とともに弊害が出てくるものなのさ。
これは先人が悪いというわけではなく、制度というものの持つ本質と考えなければいけないのだね。
だから後に続く者達は、常にその見直しをしなければいけない。
それが出来れば、途中、ちょっと危ういことがあっても、長い目で見れば吉さ。
 
★つまり、先代から受け継いだ間違いを子が正すこと。子がそれを正してくれれば、先代も咎められることはない、ということです。
 
これは、今の操体の状況とも言えますね。
 
 
2019年春季東京操体フォーラムは4月29日開催です。
 

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