東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

操体における 「頑張るな」 とは ③「根性主義」

 昭和の時代にNHKの朝ドラで 「おしん」 というのをやっていた。 このドラマは、歯を食いしばって堪え忍ぶことを美化したストーリーであるが、この時代は中学、高校のスポーツ系の部活においても、死に物狂いでやれとか、頑張り通せといった 「根性主義」 がまかり通っていた。

 

 全身を過度に緊張させて、心身を鍛え上げることで、病気に負けない屈強なからだを作ることができるのだと皆が信じ込まされていた。 このような精神至上主義は、迷ったり悩んだりしている人には単純で分かりやすく魅力的なものであったはずだ。

 

 ところが、この根性主義や精神至上主義は、一概にその効果がないというわけでもない。 それらの主義主張は確かに危機的状況の中にあっては自らが選択するやむを得ない身構えでもある。 しかし、危機的状況においての根性や忍耐は緊急避難と何ら関係するものではなく、火事場の馬鹿力の例えにあるように、こういったからだの自然な反応は内なる筋肉によるものである。