東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

注意、警告の観点から。

おはようございます。

 

操体には「バルの戒め」というものがあります。

これは4つのバル、つまり「ガンバルな」「ヨクバルな」「イバルな」「シバルな」の4つであり、「頑張る」「欲張る」「威張る」「縛る」ことを戒めているのです。

 

「戒め」とは、過ちを起こさないように前もって注意、警告するという意味があります。

注意、警告という観点からすれば、4つのバルのうち「欲張る」「威張る」「縛る」は、他人からも注意をしてもらえたりします。

しかし、「頑張る」については、「頑張りすぎると、からだに悪いよ」という言われ方はされても「頑張るな」と言われる事は、まず無いと思います。

 

では「戒め」の注意、警告というのは、誰が誰に対して注意、警告するのでしょうか。

 

それは、自分のからだが自分に対して、注意、警告を発してくることを指します。

からだの事を無視して、自分の思惑だけで頑張っていればバランスは崩れてきます。

バランスが崩れることで、からだは本来の機能を発揮できなくなり、自分自身の健康にも影響してくる。そんな時、からだは感覚をとおして注意を促してきます。

 

その注意を無視して頑張っていれば、からだに異変が生じてきます。

からだに何らかの異変が生じれば、注意では済まなくなり「痛い」「ツライ」といった警告を発してくるようになります。

そして、その警告が大きくなる程、異変も大きくなっているという事なのです。

 

からだにききわけるという事が大切であり、自分の頑張りの尺度というのは、思考的に決めつけられないのです。その時、その時、場面、場面で、からだとのバランスは変わりますから。

からだの感覚を頼りに、注意を受けたなら、やり方や取り組み方を変えてみるのも良いと思います。

からだの使い方にも、合目的で調和に向く使い方と、一部だけが頑張って疲弊してしまう使い方があるのですから。

そのやり方、取り組み方の最善を研究しているのも操体なのです。