東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

心身一体論②

 心身一体という理論を、心とからだという通常は大ざっぱに考えられているこの二つの結びつきは、実を云うと非常に複雑微妙な構造をもっている。 そのような心とからだの構造の中には、心ともからだとも云えない部分がいくつもある。

 

 俗に心とからだという両極の間で、心に近いものとからだに近いものがあり、それらが不離に繋がっているのが実状なのである。 常識でいう心とからだの中間には 「神経組織または神経系」 という分野が存在している。 この神経には、眼に見えるノイロンのような原形質と、眼には見えない電気性の波動をもったインパルスとが含まれている。

 

 このような二重性をもった神経組織は、「眼に見えない心」 と 「眼に見えるからだ」 との繋ぎや仲介の役目をしている。 両極の一方にある心という 「意識」 は知覚や感情、それに思考や意志といったものが、潜在意識である深層心理も含めて神経系に繋がっている。

 

 そして、この神経系は酵素や内分泌、それに淋巴や血液という 「体液」 によって、両極のもう一方にあるからだの骨格筋や内臓筋にも繋がっている。 これらの繋がりが重要であることは、「心」 と「神経」 と「からだ」 の関係が各部分の相互交渉という関係で繋がっているということである。 この関係のバランスが調った状態こそが 「身心一如」 というからだと心の調和なのである。