ジェット旅客機で大空高く飛んでいるときほど瞑想に適った状態は他に見出すことができない。 長距離便の航路のようにその標高が高ければ高いほど、ますます瞑想は容易になる。 だからこそ心の探求者である瞑想家たちは何世紀にもわたって高地を求め、ヒマラヤ山脈を瞑想の地として移動し続けてきた。
標高の高い山間部やジェットで飛行する上空では重力がいっそう少なくなり大地が遥か彼方に遠のいて、地上のさまざまな牽引力も遥か彼方に遠のいてしまう。 ここはまさに重力を飛ばす上空である、今や人類の築いた堕落した社会の遥か彼方に自分の身を置いている。
ここは雲や星、月や太陽そして、広漠たる空間に取り囲まれている。 このフィールドにおいてその広漠たる広がりとの一体感を感じはじめるのである。 そして数分間、自分が大きくなって飛行機全体に充満していくのを想像する。
そしてその飛行機よりもずっとずっと大きくなってゆくのを感じはじめる。 さらに大空全体へと広がっていくのを感じる。 ここまでくると漂いゆく雲、月や星は自分の内側で動いている、この爽快な感覚こそが瞑想になる。 それはまったく緊張せずにくつろいでいるのを感じることができる。