東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

「とばす6 ~まずは自身がきもちよさを味わう~」

本日は昨日行った触れない臨床の内容についてもう少し書いていこうと思います。

 

昨日は操体の施術をあまり受けられたことのない患者と、ある実行委員にも被験者として参加した頂き臨床を行った。

 

共通の決めごととして

 

①からだのある部位に意識を置き、呼吸の変化を愉しむ

②からだの要求に委ねる。その中で意識が飛んだらそのまま寝てもよい

 

この2点を念頭に置き、30分程度の臨床時間の中でからだがどのように変化していくのかを各々で愉しむことをしていたのですが、私自身も今回の臨床ではこれまでと意識を変えて望むことにしました。

 

それは施術者でありながら被験者としての意識を持って望むようにしたことです。


当然ながら治療費が頂いている以上はあくまでも自身は「施術者」としての立場に変わりはありませんが、その立場上の縛りが自身のからだの感覚を鈍らせ、からだを壊すことの原因にも繋がっているように感じました。

 

これは自分の感覚的なものですが、今までは臨床の中でまずは患者が味わっているきもちよさを私が受け取り、また還元する。

 

そのキャッチボールを繰り返していく中で共にからだが変っていく。

 

これまではそんな感じの意識で臨床に望んでいましたが、この臨床を機に発想を逆転させ、まずは私とからだがきもちよさを味わう。そして患者のからだに還元していくというスタンスに変えることにしました。

 

その意識を持ったことで「きもちよさを共有することで成立する臨床」もあるということを理解することが出来たことは私にとっての大きな気付きでした。

 

結果的には皆様からは「呼吸がしやすくなった」「からだが軽くなった」という声を頂きました。

 

この臨床を通じて感じたことは今まで捕われていた私の楔を外すきっかけになり、これからの臨床や生活の中でも自身の意識も大きく変えてくれる気付きでした。


まずは私とからだがきもちよさを味わうこと。それは何をするにしても大切なことで、その波動は自ずと周囲の人達に伝わっていくのだと思います。