(続き)
右もマスク、左もマスク。
緊急事態宣言が発令中であった時に、自粛警察やマスク警察という、
過剰な正義を振りかざす人も出没するようになった。
「うごき」において、ニュートラル。
生活の感情においてもニュートラルでありたい。
ただ、新コロナウィルスの感染拡大を防ぐためにも、やるべきことは
しっかりと守るように正しく行い、自己責任分担は果たしていく。
朝には体温測定、流水による頻度の手洗い、共有接触面の消毒など。
ただ、マスクは息がこもり気持ち悪く、できればしたくありません。
そんな私は、できるだけ外せないかどうかばかりを考えてしまうため、
ニュートラルにマスクをするには、感情の整理が必要だったのです。
マスクで多少息が上がろうと、慣れたらいいんじゃないか。
そう考えて行ったことは、マスクを考えないようにする散歩です。
本来歩くのが目的の散歩ではありますが、よく息の弾むような散歩。
せっかくの散歩。
音楽も聴かず、人とも話さず、息を味わう感覚の散歩です。
足の裏に伝わる振動は、どちらから歩みだすことでより感じるのか。
一歩進んで立ち止まり、始まりを変え、左足から出て立ち止まる。
そうすると、マスクは消えている。
マスクだけではなく、視界の範囲も、音域も変化している感じです。
いつもなら、急いでそのまま通り過ぎてしまったかもしれません。
呼吸の気になる道すがら、香りを感じてつつじの花をただ眺める。
何かを覚え立ち止まり、無意識に息を吸い込んでいる私に気付く。
(続く)