東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

空と輪のあいだに想いを重ねて②

(続き)

右もマスク、左もマスク。

緊急事態宣言が発令中であった時に、自粛警察やマスク警察という、

過剰な正義を振りかざす人も出没するようになった。

 

「うごき」において、ニュートラル。

生活の感情においてもニュートラルでありたい。

 

ただ、新コロナウィルスの感染拡大を防ぐためにも、やるべきことは

しっかりと守るように正しく行い、自己責任分担は果たしていく。

朝には体温測定、流水による頻度の手洗い、共有接触面の消毒など。

 

ただ、マスクは息がこもり気持ち悪く、できればしたくありません。

そんな私は、できるだけ外せないかどうかばかりを考えてしまうため、

ニュートラルにマスクをするには、感情の整理が必要だったのです。

 

マスクで多少息が上がろうと、慣れたらいいんじゃないか。

そう考えて行ったことは、マスクを考えないようにする散歩です。

本来歩くのが目的の散歩ではありますが、よく息の弾むような散歩。

 

せっかくの散歩。

音楽も聴かず、人とも話さず、息を味わう感覚の散歩です。

 

 

足の裏に伝わる振動は、どちらから歩みだすことでより感じるのか。

一歩進んで立ち止まり、始まりを変え、左足から出て立ち止まる。

 

そうすると、マスクは消えている。

マスクだけではなく、視界の範囲も、音域も変化している感じです。

 

いつもなら、急いでそのまま通り過ぎてしまったかもしれません。 

 呼吸の気になる道すがら、香りを感じてつつじの花をただ眺める。

何かを覚え立ち止まり、無意識に息を吸い込んでいる私に気付く。

 

                         (続く)