今回のリレーブログのテーマは 「この時代の暮らし方・私の免疫力アップ法」
21世紀に生きる我々が健康に生活する上で 「感染症」 というものが重要な課題に挙がることに異議を唱える者はおそらくいないであろう。 感染症は人類の歴史において常に脅威の連続であった。 そんな中で人類は抗生物質や化学療法剤の発見とその研究開発、それに予防接種をはじめとする公衆衛生の進歩によって僅かながら感染症は制御されてきた。 医学の進歩や公衆衛生の徹底により、いずれ感染症は克服されるだろうと期待もされていた。 しかし現実には感染症はなくならなかったのである。
従来からの感染症である結核等はいったん制圧できそうにも思われたが、今なお猛威をふるい続けており、人類の脅威となっている。 それどころか、エボラ出血熱等の新興感染症が登場し、新たな脅威となってしまった。 ほかにもSARSやエイズといったまったく新しい病原体が登場してきた。 その病原体の源は動物であることが多く、家畜や野生動物で無症候性に維持されていた病原体が、何らかの経緯でヒトに伝播・感染したものであり、動物由来の感染症がほとんどである。 故に動物との安易な接触には注意が必要だ。
また、既に存在していたインフルエンザウイルスが新しくヒトに対する病原性を増強した場合、「新型インフルエンザ」 という病原体にパワーアップしたものも登場してきた。 また、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌は不適切な抗菌薬剤によって耐性遺伝子を有する動く遺伝子を獲得し、医療の現場では治療において大変な問題となっている。
このようなヒトからヒトに伝播するタイプの特に新興感染症の特徴の一つに、パンデミック、すなわち世界的な大流行になりやすい点が挙げられる。 それは航空輸送の発達と人口増大が起因しているものと思われる。 また、昨今のパンデミックと言えば新型コロナウイルスであるが、2003SARSコロナウイルス(肺炎)が新型コロナウイルス(SARS-COV2)にパワーアップしたものに感染したことによって、SARS-COVID-19感染症となったものである。
これらとは対照的に、かって存在した感染症で公衆衛生上ほとんど問題とならなかったものが、近年再び増加してきたもの、または将来的に再び問題となる可能性がある感染症を 「再興感染症」 とWHOは定義している。 我が国において主な再興感染症は、デング熱 ・ 風疹(@日本) ・ 麻疹(@日本) ・ 結核などである。 そして医療先進国といわれる日本の、その結核発症率は未だ中蔓延国のままである。
しかし、こういった感染症が疾患として成立するには、
①微生物(細菌・ウイルス・真菌・寄生虫・原虫・スピロヘータ・リケッチア等の病
原体)が存在すること
②その微生物に感受性のあるヒトが存在すること(宿主の感受性)
③そのヒトが微生物に十分に暴露する環境があること(感染経路)
の3条件が揃う必要がある。
なぜ、感染症成立の3条件が重要であるかといえば、感染症の予防には上記3条件のいずれかを防げばよいからだ。 感染を防ぐには、その相手である微生物をよく知ることが最も重要な事柄である。
そしてその予防策として、以下のことが行われるべきだ。
①病原体 → 微生物をなくす
②宿主の感受性 → 感受性のあるヒトをなくす(病気にならないようにする)
③感染経路 → 感染経路を遮断する
特に②宿主の感受性(病気にならないようにする)が、今回のテーマである 「この時代の暮らし方」 のヒントになると思う。 こういった内容で明日からは日常生活での宿主(ヒト)の感受性について、具体的な内容に入っていこうと思う。 またそれに関連した 「私の免疫力アップ法」 についても触れてみたい。