(続き)
もう一度「正常性バイアス」について説明します。
「バイアス」とは、認知心理学や社会心理学の分野で使われる言葉なので、
日常使用される言葉で言い換えるなら、「傾向」とか「先入観」です。
社会生活を営む上での正常性バイアスは、どのような人間にも、ある程度
は存在していると言われています。
およそ傾向的にですが、目の前に危険が迫った時、見聞きした情報に関し、
「自分は大丈夫」だと思い込もうとする、この事自体は正常なんです。
故に、本当に警戒してほしいときや避難してほしいときに、どう伝えるか。
そして、人に危機を伝える際、どのような言葉かけが有効か知ることです。
検証の結果わかったのは、「危険だから避難してください」と、言葉かけ
するのは、効果が薄かったということ。
重要な有効な言葉かけのポイントだったのが、「利他の心」に訴えること。
「あなたの避難が周りの人を救います」
「あなたが避難しないと、人の命を危険にさらします」
このような呼びかけかたは、とても有効であったという事実なのです。
自分の命を守る為に、という言葉かけで避難しなかった人も、人を救う為
そして、人を守るためという目的ならば、率先して避難するのです。
大げさに言えば、自分ではなく、他を利する事にこそ本質的な使命はある。
言葉と行動をつなげ、自らの言動に責任を持つことを促すというわけです。
ワタシ自身も「マスクは、もし自分が感染者であったならと考えている」、
このようなことを考え、義務感を外していくことに繋がっていったのです。
「それにつけてもおやつはカール」ではありませんが、理由は無くとも、
なんとなくそうしてしまった、というような本質で受け入れたいものです。
そんなことを考えつつ、そして今も続くニュートラルの散歩は気持ちいい。
というわけで私的たわごとの如き一週間、お付き合い有難うございました。
さて明日からは、日下実行委員の登場ですよ!お愉しみに。