東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

空と輪に想いを重ねて⑦

(続き)

もう一度「正常性バイアス」について説明します。

「バイアス」とは、認知心理学や社会心理学の分野で使われる言葉なので、

日常使用される言葉で言い換えるなら、「傾向」とか「先入観」です。

 

社会生活を営む上での正常性バイアスは、どのような人間にも、ある程度

は存在していると言われています。

 

およそ傾向的にですが、目の前に危険が迫った時、見聞きした情報に関し、

「自分は大丈夫」だと思い込もうとする、この事自体は正常なんです。

 

故に、本当に警戒してほしいときや避難してほしいときに、どう伝えるか。

そして、人に危機を伝える際、どのような言葉かけが有効か知ることです。

 

検証の結果わかったのは、「危険だから避難してください」と、言葉かけ

するのは、効果が薄かったということ。

 

重要な有効な言葉かけのポイントだったのが、「利他の心」に訴えること。

 

「あなたの避難が周りの人を救います」

「あなたが避難しないと、人の命を危険にさらします」

このような呼びかけかたは、とても有効であったという事実なのです。

 

自分の命を守る為に、という言葉かけで避難しなかった人も、人を救う為

そして、人を守るためという目的ならば、率先して避難するのです。

 

大げさに言えば、自分ではなく、他を利する事にこそ本質的な使命はある。

言葉と行動をつなげ、自らの言動に責任を持つことを促すというわけです。

 

ワタシ自身も「マスクは、もし自分が感染者であったならと考えている」、

このようなことを考え、義務感を外していくことに繋がっていったのです。

 

「それにつけてもおやつはカール」ではありませんが、理由は無くとも、

なんとなくそうしてしまった、というような本質で受け入れたいものです。 

 

そんなことを考えつつ、そして今も続くニュートラルの散歩は気持ちいい。

というわけで私的たわごとの如き一週間、お付き合い有難うございました。

 

さて明日からは、日下実行委員の登場ですよ!お愉しみに。