東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

細菌感染と免疫力

  感染に対する免疫力が強い弱いというのはどのように違うのだろうか? まず 「感染」 の意味は、細菌やウイルス等の微生物がヒトなどの宿主に侵入することであり、その微生物が定着して増殖することで引き起こされる疾患を 「感染症」 と言っている。 しかし、微生物が宿主に侵入しただけで増殖しない場合は、感染症とは言えず、感染が成立したものではない。

 

 宿主(ヒト)は微生物が体内に侵入した時に、これを認識して排除しようとするのであるが、それを生体防御機構、すなわち免疫系がその役目を担っている。 この時に感染しても発症しない場合は免疫力が強く、感染したあと発症してしまうのは免疫力が弱いからだと言える。 そして、微生物においても当然ながら宿主の免疫機序から逃れるようにして、宿主の中での生存をかけた対抗策を図ることになる。

 

 今日は微生物の中で細菌感染に特定して話を進めようと思う。 そもそも免疫系の働きについて生体は、どのように自己と非自己を区別して免疫反応を起こすのかという疑問である。 たとえば臓器移植の時に拒絶反応が起きるが、これも免疫機序によるものであり、生体が細菌を排除する機構と同じような免疫反応が起きている。 

 

 しかし、自分の臓器に対しては拒絶反応が起きない。 これは自己自分の臓器と非自己他人の臓器や微生物を区別して認識する機構を生体は持っているからだ。 そして、細菌や他人の臓器等の非自己に対してだけ攻撃、排除するメカニズムが働いている。 しかし、細菌の方もやられっぱなしではない、宿主の免疫機序から逃れるための免疫回避機構が備わっている。 それは毒素をはじめとしたさまざまな物質を作り、宿主の組織や細胞を破壊したり、免疫能を抑制したりするための対抗手段である。 

 

 ヒトのからだは皮膚や粘膜によって外界から隔てられており、細菌等の外敵の侵入を防いでいる。 皮膚は角化層に覆われていて、物理的障害となって細菌感染を防御しているので、皮膚への感染は本来、外傷等の防御機構の破綻がなければ起きない。 ところが粘膜については水分に富み、細菌の生育には好環境であるが、消化管等では常在細菌叢を形成しており、この常在細菌叢は外来性の細菌の定着を防いで、定着しても増殖を抑制する働きをしている。

 

 皮膚感染は本来、外傷等の防御機構の破綻がない限り起きないのは、皮膚には殺菌力があるからだ。 紙の上に置いたバイ菌はなかなか死なず、いつまでも元気にしているが、皮膚にバイ菌をつけておくと、数十分で死滅する。 このように皮膚は外菌を防ぐばかりでなく、外傷から身を守る働きもある、常に脂腺から油を出して、体表一面を強靭にし、毛髪や爪を生やして防御もしている。 また体温調節も皮膚の独占機能である。 他にも肺のような呼吸作用や腎臓のような排泄作用にも余念がないのが本来の皮膚だ。 そして皮膚は心臓と同じように働き者であり、24時間不眠不休の勤労愛好者でもある。

 

 ところが、野生動物と比較して、ヒトは家に住み、衣服を身に着けたりしているので、現代人では強健な皮膚を持ち得なくなってしまった。 皮膚は免疫力のうち自然免疫の部類に入るが、健康な生活を維持するためには皮膚の免疫力をアップする必要がある。 その皮膚の免疫力アップ法とは、

 

  摩擦法 ・・・ 皮膚をさする体温調節力を高める

  日光浴法 ・・・ 日光にさらす骨を強くする = 日光 → ビタミンD → カルシ

            ウム → 骨

  水浴法 ・・・ 水に浸す汗腺を開けて毒物を排出する

  風浴法 ・・・ 全身の皮膚面を新鮮な空気にあてる副毛細血管の造成

 

この時代の暮らし方としてはこれら四つの皮膚浴を日頃の習慣とするのが望ましい。 これは私の免疫力アップ法でもある。