東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

点検してみて感じたこと

おはようございます。
瀧澤さん、一週間の投稿、ありがとうございました。
本日から寺本がバトンを引き継いでまいります。
テーマは引き続き「この時代の暮らし方・私の免疫力アップ法」です。
宜しくお願い致します。

 

ここ数か月間、これまでリアルタイムで経験したことのない規模の感染症というものに出会って、そこで感じてきたことを振り返ってみると、そのなかで試してきたことは、今までのことをひとつひとつめくる作業、「点検」する作業だったように思う。

 

この確認作業は今も継続しているけれども、そのプロセスの中で興味深かったのは、自分以外の他者のことに関して考えることが自然と増えてきたことだった。

 

それまでは自分自身というある種の最小単位のなかでいろいろなことを考え、感じてきた。

故に、自身の健康について考えるときには、「自分のからだ」のことについて考え、感じている事が多かった。勿論それは、大事なことであることには変わりがないと考えているけれども、自分自身の健康を考える上で、この最小単位は身近な人の健康ともかなり密接な関係性を持っていることを思うようになった。

 

心理的な面も同じようなことを感じている。自分の中で、渦巻いているあらゆる心理的な現象は、周囲の人と決して無関係な出来事ではいられない。以前にも、ここで書いた記憶があるけれど、自分に気持ちの余裕がないときというのは、周囲の人に大きなストレスを与えることもある。それが、あからさまに感じられることもあれば、目に見えず相手の中に鬱積していくこともある。そしてそれが、自分からだけの眼差しではなくて、相手の方からも起こっている相互作用なんだということに興味が湧くようになった。

 

自分の中で何かしらがうまくいっていないときに、相手を観てみれば、相手も同じように間に合っていないことがある。そういうときに、自分を顧みてもいいし、相手を気遣ってもいい。

 

息(呼吸)、食(飲食)、動(身体活動)、想(精神活動)の自己責任の営みは、いままでも考えて実践してきたことだった。その自己責任の最小単位に常に触れていて、それを陰ながら大きく支えている存在、「環(環境)」の領域に関わることについて考えるようになったのだと思う。