東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

般若身経を解説~想念の変化~

実用的な面から「般若身経」をみれば、安定した動作を獲得できる、ケガをしにくくなるなど、動(身体運動)の営みとしてのメリットがあります。

ただ、そのような実用的なメリットだけではなく、学習していくうちに想(精神活動)の営みにも変化が見られるようになりました。


筋トレやストレッチが大好きだった頃、僕はからだに対して、自分の意識下にあってコントロールできる存在というイメージを抱いており、まさか感謝の対象になるなんて思ってもいませんでした。

それが「般若身経」を通して、必要以上の負荷をかけずに動作できること、からだの動きを理屈ではなく感覚で身につけていくこと、からだとともに一つ一つの動きを表現できることを教わるうちに、

今まで自分が抱いていたからだのイメージは、からだのほんの一部であり、構造も機能も、そして動きも、僕の意識できる範囲を超えてからだは存在しており、むしろ、有難くからだを使わせて頂いているというきもちが湧いてくるようになりました。

それは形式的な感謝ではなく、感覚を伴った実感としての感謝です。


息(呼吸)、食(飲食)、動(身体運動)、想(精神活動)の四つの営みと「環境」を加えた五つは同時相関相補性といって、すべて関連しあっているとされていますけど、

動(身体運動)と想(精神活動)のつながりは「般若身経」によって、確かに感じられます(もちろん全部の営みはつながっています)。