熱海での三年間は按摩のアルバイト、東京では渋谷の学校を卒業する
までに、整形外科と漢方内科、鍼灸院二箇所を掛け持ちしての仕事で、
十分過ぎるくらい経験を積んだと、勘違い甚だしかった当時のワタシ。
そこで卒業後すぐに茅ヶ崎で鍼灸接骨院を開業してしまったのである。
そこは若気の至りもあって、勢いだけで乗り切ってきた頃、半年位で
人を雇うことにした。
当時雇った方は、千葉で操体法を教えている先生から、なんと偶然に、
現在進行形で、千葉まで通って「操体法」を教わっていたのだった。
しかもその方の「操体法」は、私のように本で読んだり、半日内科医
で教員だった講師に「操体法」を教えてもらったようなものではなく、
『これも操体法なんだなぁ』と感じた、やりかたをしていたのである。
実際に、その方が教本のようなものを持っていたので、見せてもらって
目を通したものの、やはり教えていただいた操体法とも違っていた。
個人的な感想で言えば、その操体法の技術の習得は、いかに目的として
いる筋肉に効かせるか、その抵抗と方向の角度が決まれば、とても変化
することに重点を置いているような、そんなやり方に思えた。
そこで、そのスタッフに教えてもらうのだけれど、ここでズッコケた。
まぁ、当時のワタシはあまりに下手だったらしく(実際に不器用です)
『本当にやる気あるんですか』と言うような顔をされて教えてくれた。
悔しいような、悲しいような、高くなっていた鼻をへし折られて、相当
凹んでしまった当時のワタシを久しぶりに想い出した。
(続く)
2020年秋季東京操体フォーラムは11月23日(月)勤労感謝の日 オンライン(zoom)開催致します。テーマは「操体法クロニクルズ」他。
登壇 三浦寛、半蔵、岡村郁生、瀧澤一寛、三浦寛幸、寺本雅一、畠山裕美他