いまだに、誕生日のお祝いで年齢の蝋燭を吹き消すイベントが大好きです。
「息」をいのちに掛けて、意味を実感する大切な味わいごと。
それはともかく、大正昭和時代の初期にかけて活躍された「澤田健」と言う
天才的な鍼灸師がいらっしゃいまして、その伝記のお話。
「鍼灸古道を唯一の達人として奇験神治、その妙を極め、 その名声、天下
に喧伝さるに至る。故にその治を請う者、上は大臣大将より、下は一庶民
に至る」と、このようにあります。
とても古典を研究された理論家であると同時に、超一流の臨床家でしたので
名言や放言も多いのですが、「言うは知らず、知るは言わず」と豪語され、
自らの著書は一切記しませんでした。
なので沢田先生の臨床に常用された経穴(ツボ)も、不思議な取穴をされて
「澤田流〇〇穴」と名付けられた特効穴も多いのです。
そして対称に使わない経穴として、右手(神門穴)と左手(陽池穴)だけは
非対称なのですけれど、操体を学んでいると理解できたこの経穴の真価は、
とてつもなく大事だったのだなぁ、と理解できた現在こそ、学問の妙味です。
結婚しようとしまいと精ある限り、永遠に右手は女房で左手は愛人ですから。
東洋医学の神髄、診断即治ではありませんが、「即」実践あるのみ。
操体流といえば「ウソかホントかヤッテミロ」ですから、セルフケアに生かし
先天の精と後天の精を味わいつつ、「息」実践の日々を味わっています。