東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

それ、セルフケアなの?④

いまだに、誕生日のお祝いで年齢の蝋燭を吹き消すイベントが大好きです。

「息」をいのちに掛けて、意味を実感する大切な味わいごと。

 

それはともかく、大正昭和時代の初期にかけて活躍された「澤田健」と言う

天才的な鍼灸師がいらっしゃいまして、その伝記のお話。

 

「鍼灸古道を唯一の達人として奇験神治、その妙を極め、 その名声、天下

 に喧伝さるに至る。故にその治を請う者、上は大臣大将より、下は一庶民

 に至る」と、このようにあります。

 

とても古典を研究された理論家であると同時に、超一流の臨床家でしたので

名言や放言も多いのですが、「言うは知らず、知るは言わず」と豪語され、

自らの著書は一切記しませんでした。

 

なので沢田先生の臨床に常用された経穴(ツボ)も、不思議な取穴をされて

「澤田流〇〇穴」と名付けられた特効穴も多いのです。

 

そして対称に使わない経穴として、右手(神門穴)と左手(陽池穴)だけは

非対称なのですけれど、操体を学んでいると理解できたこの経穴の真価は、

とてつもなく大事だったのだなぁ、と理解できた現在こそ、学問の妙味です。

 

結婚しようとしまいと精ある限り、永遠に右手は女房で左手は愛人ですから。 

東洋医学の神髄、診断即治ではありませんが、「即」実践あるのみ。

 

操体流といえば「ウソかホントかヤッテミロ」ですから、セルフケアに生かし

先天の精と後天の精を味わいつつ、「息」実践の日々を味わっています。