おはようございます。
操体、それは生命現象のより根底まで突き詰めているから、全ての人にお薦めできるのです。
操体には禁忌というものがないのです。
これはエクササイズや他の療法と、根本的に異なるところです。
エクササイズは、ある程度の間に合った健康状態の人を対象としており、対象から外れた人、不明瞭な人は医師に相談してから行ってくださいという事になる。
何故そうなるのか。それは今できる事以上の事をやろうとさせるから。
それが鍛錬という考え方もあるでしょうが、鍛錬もバランスを調えてからでないとシゴキになってしまう。
シゴキをすれば、ある特定の運動での能力は高まるでしょうが、健康体としてのバランスは崩れ、時間、空間の係わりにより、いずれその報いを受ける事となる。
また、特定な運動での能力の向上をみないまま、障害を抱える事ともなってしまう。
今できる事からで良いのです。
今できる事で、健康の元を正し、底上げしていく。
身体運動にしても、ダイナミックな横紋筋系の動きだけでなく、それを支えるからだの動きというものがあります。
そして、それは呼吸や目線と密に相関しているのです。
横紋筋系の動きをとおすのが困難な状態にあるならば、呼吸や目線を意識して調和に向くからだの動きを発動させる事も可能なのです。
何らかの病態、例えばギックリ腰の急性期などは、どうにも身体の動きがとおせなくなる。
こんな時に無理して動けば、からだとの不調和を招き、却って拗らせる事となる。
私も去年、経験しましたが、一番くつろげる体勢をからだにききわけ、三浦寛先生の提唱する進化した操体理論に基づき、呼吸や目線を意識してとおしていく。
そうする事で、バランス制御に向くからだの快適感覚がききわけられ、次第に身体の動きもとおせるようになっていった。
こうした体験は、東京操体フォーラムの他のメンバーからも聞きますし、臨床でも活用させていただいています。
操体は、生命現象の根底を突き詰めた学びであるから、誰でも実行可能なからだとの向き合い方を提案できるのです。
今できる事を、感覚をとおしてからだと向き合いながら行い、より良いバランス状態としながら、ひろげていく。
自分だけでなく、社会もより良く変わっていくと思うのです。
一週間のお付き合い、ありがとうございました。
明日からは、畠山裕美先生の担当となります。
どうぞ、おたのしみに。
友松 誠。