その昔、どんな御縁で出会ったのかはすっかり忘れてしまったけれども、
磁石を使ってからだを診る方にお会いしたことがある。
興味があったので、お互いの住まいからちょうどいい場所にある小さな公園で、
その方の手技をうけさせてもらった。
私はただただ立って背中を向けているだけだったと思う。
手の平サイズ(またはもっと大きいものであったかもしれない)の超強力な磁石をその方は使用していると言っていた。
背中越しだったのではっきりとはわからないけれどその磁石を少し離れたところからからだに向けて撫でる様にしてアプローチされていた。
何も知らない人は気功でも受けているのだろうと感じたに違いない。
受けていると触れてはいないのに、たしかになんらかの「圧」もしくは「流れ」の作用をからだが受け取っているような感じがあった。気のせいかもしれないけれど、ものすごく低い周波数の音のようなものがボワーッっと聴こえてくるようでもあった。
初めての感覚で、その時の不思議な体験を思い出そうとすると、今でもその時からだを通して感じた不思議さを思い出すことができる気がする。
その方自身の呼吸音も特徴的だったので、ご本人自身もその磁石の影響を受けているような印象もあった。
磁石というと、SとNという対になっている極があり、
異なる極は引き合い、同じ極は反発し合うという性質を誰しもが知っている。
砂鉄などがあれば、その性質を可視化することができるように、
目にみえない力の流れが存在しているのがわかる。
当時は、何となく、強い磁力をもった磁石の影響で、からだにも何らかの変化が起こっているのかなと思う程度であった。
目にはみえないけれど、流れはたしかに存在している。
今思えば、あの方は目に見えない流れをいかして、からだを診ようとされていたのではないかと感じられる。