おはようございます。
スポーツ観戦に関して、人気の高い競技を観戦している時は、人気の劣る競技を観戦している時よりも、幸福感や快感をもたらす脳の報酬系の神経回路が活発になっているというデータがあるという。
たしかに頷けるものがあると思う。
しかし、マイナーというか今まで知らなかったスポーツを知り、観戦の幅が拡がることでたのしみが膨らむという事もあると思う。
オリンピックには、そういう魅力もあると思う。
特に今回のパリオリンピックでそう感じたのは、ベルサイユ宮殿で行われた馬術。
今の日本に暮らしていれば、日常生活で馬と触れ合う機会はほとんどなく、馬術は競技としてもマイナーとされている。
そんなマイナー競技で、日本チームが銅メダルに輝いたのは、価値ある事だと思う。
オリンピックというスポーツの祭典は、ほとんどが自ら身体を使って競技するが、馬術だけは自分だけでなく、馬の能力を充分に発揮させるよう、人馬一体となる事が求められる。
言葉を持たない馬と、コミュニケーションをしっかりとり、人馬一体となる。
今の人間社会は、頭の言語理解や理屈での納得、こちらのアクセスに対して思い通りに応えてくれる従属機械のようなものが持て囃される傾向がある。
しかし、それは便利でスピーディで合理的な反面、生命としては能力が後退しているようにも思える。
そんななか、言葉を持たない馬と、空間を介し感覚をとおして、お互いの状態を確認しながらコミュニケーションし、人馬共に最大限の能力を発揮していく。
素晴らしい事であり、人間として、生きものとして、命あるものとして大切な事であり、そうしたスポーツも必要とされていると感じる。