(昨日のつづき)
これまで農作業に関わることがありませんでしたので、ほとんどの作業は初めての体験ばかりです。ただ、小学校の夏休みや冬休みには、兼業農家だった母の実家に遊びに行っていたこともあり、初めて伺う農園であっても、畑に行ったり、倉庫に入ったりすると、どこか懐かしい感じがします。
そんな懐かしさも感じながら、いざ作業となると、表では「作業」の学習が、裏では「からだ」の学習が始まります。作業に慣れていく過程で、いかに「からだ」にとって自然な「うごき」になっているのかどうか。それを感じとっていくことはとても面白い。
作業に関しては本業目線のアドバイスをいただいて、「うごき」に関しては「からだがききわけている」メッセージをいただいていく。どちらに関しても「自分」が「無理」をしてやっているのなら効率よくはなっていきません。
例えば、以前お世話になったミニトマトの選果の作業の場合、規格ごとに選別する上で、皮が割れていないか、傷がどの程度か、へたの周りの色具合はどうか、形はどうか、熟し加減はどうかなどを見ていきました。
ミニトマトを片手にとり、状態を確認しながら、もう片方の手に持った布巾で汚れを取って、それぞれのカゴに入れていく。初心者なりにも慣れてくると、目が覚える、手が覚えるといった具合に、それほど悩まずにどんどん作業が進むようになっていきましたが、これは「作業」に関する学習です。
それでは、ミニトマトを左右どちらの手で直にふれて、左右どちらの目で見れば、より瞬間的に判断できて、見落としが少なくなるのか。これは「からだ」に関する学習です。
ふれた感触や対象の見え方がどんなふうに変わるのか、興味のある方は実際に試してみてください。
これは、手や目に限定された話ではなく、「からだ」の「うごき」としての話です。いかに「無理」なく自然に「うごき」が表現されるように「からだ」を使わせていただくか。作業の動きと「からだ」の「うごき」が重なっていけば、「効率よく」ということも、うんと幅が広がってくるとおもいます。
2024年秋季東京操体フォーラムは11月23日(土)勤労感謝の日、、ルーテル市ヶ谷センターで開催致します。