(昨日の続き)
今回は「身に付く」ということをテーマに書き進めていきました。なぜ、このテーマにしたのかというと、一つには「からだ」のことをまだまだ分かっていない、という実感があるからです。
農作業の仕事に関わるようになり、初めての現場で初めての作業をしたとき、「前にもやったことがあるんですか?」と聞かれることがこれまでに何度かありました。どこの農園でも現場には色々な方が来られるそうですので、色んな方の作業具合を見て、経験者っぽいと思われたのかもしれません。
ご縁をいただいているので一所懸命にやるという意識はありますが、前情報を持っているわけでも、作業に関して特別秀でているわけでもないことは自覚しています。それでも、そう思っていただけたのなら、それは、「からだ」と「からだの学習」のお蔭なのではと感じています。
作業に集中するあまり、「からだ」に意識を向けづらいこともあります。それでも、周りがよく見えたり、すっと「からだ」が動き続けたりしていると、普段の「からだの学習」が生きていると感じられ、同時に、まだ味わったことのない感覚に出会えている悦びもあります。そんなとき、感謝と共に、もっと「からだ」のことを知りたい、学びたいという意欲が生まれてくるんです。
師が示されている「重力と重心のバランス」を、自然科学の観点や人体の解剖生理の観点から理解していくことも大事だとおもいます。そして、実践をとおして、生身の感覚として意識できるようになっていくプロセスはなにより愉しいし、それが「真理」であると言いきれるように「からだ」と共に学び続けていきたい想いがあります。
最後になりますが、作業の合間にやっていることについて。どなたも経験があるかとおもいますが、疲れてくると、呼吸が浅くなったり、口で呼吸しがちになります。そんなときに、鼻腔から充分に吸気が入る状態になっているかどうかを確認することです。
鼻腔から充分に吸気が入る状態であればいいのですが、それが崩れてきたら、鼻腔から充分に吸気を取り入れるようにしています。吸気と共に表現される「からだのうごき」で見上げる空もいいものです。
どちらの鼻腔から吸気を取り入れるかは、師のブログに書かれていますので、興味のある方は体感してみてください。
「からだのうごき」や「吸気」の「ながれ」を意識することができてくれば、今いる「現場」は「空間」と「腔󠄂間」が調和する場として捉えていくことも可能になってくるのですから。
一週間のお付き合い、ありがとうございます。
明日からは寺本さんの出番になります。どうぞお愉しみに!
2024年秋季東京操体フォーラムは11月23日(土)勤労感謝の日、、ルーテル市ヶ谷センターで開催致します。