おはようございます。
薫風の薫はかおりとも読むが、よい香が自然に染み込むといったような、意味合いがあるという。
確かに、薫は文字的にも燻製の燻にも似ており、香りが染み込むという表現は、言い得て妙だと感じる。
若葉や青葉の香の染み込んだ空気の薫り。
この薫りには、フィトンチッドという揮発成分が溶け込んでいるという。
フィトンチッドとは、植物が有害な微生物や昆虫から身を守って生命を維持したり、自らの生長を促進するために、主に葉から放出している揮発性物質。
この揮発性物質は、人間にとっても有用であり、心身をリラックスさせてストレスホルモンを減少させるのをはじめ、様々な効能も明らかになっているという。
植物が自ら身を守る為に放出する成分が、動物である人間にとっても有用となっている。
植物と人間では、呼吸のエネルギー生成過程からして、まるで違うのに…。
面白い事でもあり、有難い事でもあると思う。
フィトンチッドの語は、植物と殺すがかけ合わされた語。
これだけ聞くと、なんだか怖い感じがする。
しかし、自然からしたら、それは物事の一面でしかなく、本当は動物、植物、微生物といった生物の生態系の秩序を保ち、それぞれが同じ空間を共有しつつ、それぞれがバランスよく生きていくのをサポートする成分物質であり、それを植物が放ってくれていると考える事もできるのではと思う。
